読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ネイサン・チェン自伝 ワンジャンプ ネイサン・チェン著/ないとうふみこ 児玉敦子 中村久里子訳 KADOKAWA 2023年

ネイサン・チェンが初めて明かす 金メダル獲得までの苦悩と栄光

北京五輪のフリーで5度の4回転ジャンプを決め金メダルを獲得したネイサン・チェン。
その栄光の裏には、想像を絶する苦悩の日々、家族やチームとの絆があった。
トップスケーターが舞台裏を語り尽くす貴重な回顧録

プリウスで32万キロ移動しながら技術を高めた2011年/名コーチ・ラフの教え「一歩さがって迂回せよ」/4回転習得と引き換えに悲鳴をあげた股関節/追い詰められた平昌「リンクから出ていきたい」/「タイガー・マザー」の母との葛藤/北京直前のプログラム変更決断……クワドキングが赤裸々に綴る、金メダル獲得までの物語。 (出版社紹介文より)

 図書館の開架で見かけて、思わず凍り付いた本。…こんな本出てたのか、日本語に翻訳されてたのか。KADOKAWAからの出版、ってことはある程度需要があると見込まれたのね、そしてウチの図書館が入れてくれていたとは。で、借りるのか、私? これを??
 …で、借りました。スポーツ選手の裏側とかは、私はあまり知りたいと思わない派なんですが、でも出会ってしまったので。何しろネイサン・チェン選手のスケーティングは、すごく好きだし。衣装はもうちょっと似合うものがあるんじゃないかな、とは思うけど。(←おい;)

 …シェイ=リーン・ボーンが正式表記だったのか。勝手にシェイリーン・ボーンだと思ってた(←そこ!?)
 いや、そうではなく。
 ご両親も、兄姉もみんな頭いいんですね。で、お母さんの献身っぷりが凄い。それが後年、ネイサン選手との方向性の違いになって行く訳ですが。
 ネイサン選手がオリンピックの裏でこんなに苦悩していたとは。ネイサン選手は何となく、泰然自若、冷静で理知的、根性論などはもってのほか、理論的に組み立てて練習、習得していくタイプだと思っていました。こんなにがむしゃらに積み重ねていく人だったとは。精神的に強い人だとも思っていたので、だから余計に平昌オリンピックのSPは驚きましたっけ。
 怪我も酷かったんですね、いつもさらりとプログラムをこなしているイメージがあったので、こんなに傷みを抱えているとは思いもしませんでした。
 でも、そういうマイナス要素を、身体的にもメンタル面でも、一つ一つクリアしていく。この辺りから、パブリックイメージ(…と言っていいのかしら)通りのネイサン・チェン選手になって来ます。それでも、コロナに対しての警戒っぷりとかは、結構意外でした。確かに、感染してしまったらこれまでの努力が水の泡だもんなぁ。
 なじみのあるスケート選手の名前も、ちらほら出てきて嬉しかったです。その全ての人に、敬意を持っていることが端々から感じられました。スタッフへの感謝も。人柄だよなぁ。
 もう競技には戻って来ないのかな、何しろマリニンって凄い選手出て来ちゃったしな。でもネイサン選手独特のステップ、安定感あるジャンプは何の躊躇もなく「カッコイーーーーー!!!」って叫べる唯一のものなので、また氷上で踊ってほしいです。