読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔道祖師 2 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

 『魔道祖師』第2巻。
 ネタばれあります、すみません;

 温寧が宋嵐と、藍忘機とが戦っている間に、魏無羨は彼らに何かを伝えようとしている少女の幽霊に共情し、過去の経緯を知る。暁星塵が自分の目を宋嵐に与えて盲いた後、薛洋と出会い、騙されて幾多の村人を殺したこと、宋嵐まで手にかけてしまったこと。その後自死し、魂魄までばらばらになるほど弱ってしまったこと。薛洋は何故か、魏無羨に魂魄の修繕を依頼する。
 義城で右腕は見つかり、薛洋も倒したが、彼の死骸は何者かに攫われてしまった。かつて魏無羨が創り出し、薛洋が取り繕った鬼道の法器 陰虎符を狙っている者がいるらしい。
 首以外の四肢が揃い、動き出したことで、魏無羨と藍忘機はその遺体の正体を察した。清河聶氏の前当主 聶明玦、衆目の中で突然発狂し命を落としたとされる男。生前、彼と親交の深かった者に当たろうと、二人は金鱗台を訪れた。魏無羨は形代に己の魂を乗せて、現宗主 金光瑶の屋敷を探る。そこで彼は、金光瑶が妻の秦愫と揉めて、彼女を密室に閉じ込める場に遭遇する。密室には禁術の書が並び、聶明玦の頭部が保管されていた。
 聶明玦の頭部に共情したことで、魏無羨は金光瑶の生い立ちを知る。娼妓の子として生まれ育ち、金光善には子として認められなかった少年時代。他家に仕えて能力を磨き認められ、それでも何かにつけ貶められる境遇。あらゆる手段を用いてのし上がった金光瑶
は聶明玦の信頼を失い、最終的に琴の音で彼の気を狂わせて殺していた。
 現実に戻った魏無羨は金光瑶を告発しようとするが、反対に魂の復活を暴かれ、藍忘機と逃げることになる。
 徐々に思い出される過去。かつて温家の夜狩に駆り出された魏無羨たち若手修士は、温家の御曹司 温晁によって妖獣の囮となるべく洞窟に突き落とされたこと、彼らを逃がすため、魏無羨と藍忘機たった二人で洞窟に残り、妖獣 屠戮玄武を倒したこと。
 そしてその後。雲夢江家は言いがかりをつけられ、温家に殲滅される。生き残ったのは宗主の息子江澄と魏無羨のみ。宗主夫人虞紫鳶は二人を逃がす際、魏無羨に我が子江澄を守るよう命じた。…

 どの人の境遇も辛いんですけど―――! 
 殺害方法とか凄く痛そうで、うわ、うわ、と怯みながら読む場面もありました。ラスボスは金光瑶でいいのかな、アニメでももう出てたっけ、と調べたらCV石田彰氏でした。……そうか、あの人かぁぁぁっっ!!(笑)
 アニメでは唐突に思えた雲夢江家ジェノサイドも、納得がいく形で示されました。魏無羨は虞紫鳶から呪いにも似た縛りを掛けられる訳ですね。原作では宗主 金楓眠からも。
 藍忘機は一巻に1回ずつ酔っぱらうのかしら(笑)。いつの間に魏無羨を想うようになったんだろう。
 次巻に続きます。