読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部<特別リハーサル版> J・K・ローリング ジョン・ティファニー&ジャック・ソーン/翻訳 松岡佑子 静山社 2016年

 『ハリー・ポッター』シリーズ 8番目の物語 19年後。
 ロンドンで公開された舞台の脚本。
 ネタばれあります、すみません;

 ハリー・ポッターの次男坊アルバスはスリザリン寮へ。マルフォイの息子スコーピウスと親友に。英雄である父親との間は決してうまく行っていない。
 ある日、エイモスとハリーの会話を盗み聞きしてしまったアルバスは、エイモスの姪で今老人ホームにいるエイモスの面倒を見ているというデルフィーのアドバイスも受け、逆転時計(タイムターナー)を使って、エイモスの息子セドリックを助けようと決意する。
 目指すのは1994年の三校対抗試合、セドリックが優勝カップに触らなければヴォルデモートに殺されることもない、つまりセドリックに優勝させてはならない。だが第一試合を邪魔した結果の現代はロンとハーマイオニーが結ばれていない世界であり、第二試合を妨害した結果は、ヴォルデモートがこの世を支配する、アルバスさえ存在しない世界になっていた。
 その世界のハーマイオニーやロン、スネイプらの手を借りて、再び、三度過去に戻り、歴史を元に戻したスコーピウス。もう二度と過去を改変できないよう、スコーピウスは逆転時計を壊そうとする。そこに現れたのはアルバスから連絡を受けたデルフィー、彼女は逆転時計を奪い、三校対抗試合の第三試合を邪魔するべく過去へ向かった。アルバスとスコーピウスも道連れに。彼女はヴォルデモートの娘だったのだ。
 デルフィーの行動を何とか阻止したアルバスたち、だがデルフィーはもう一度逆転時計を使い、二人は過去に置き去りにされてしまう。1981年ゴドリックの谷、この時間にいることを父親たちに知らせなければいけない。赤ん坊のハリーがくるまれていた毛布にメッセージを残し、アルバスたちは見事にハリーたちと合流する。父親であるヴォルデモートに会いたい、ハリーとの因縁を作らせたくない一心でこの時間を選択したデルフィー、ハリーたちはデルフィーを待ち伏せして計画を阻止したが、それは目の前で両親が殺されることを、見過ごさねばならないことを意味した。…


 読もうかどうしようかかなり迷った作品です。何しろ本編は見事に終了しましたから、たとえ原作者であろうと、あまり余分なものを付け足してほしくないなぁ、という気がしないでもなく。でもまぁ、とりあえずということで借りてみました。

 ええとですね、まず読み難い!(爆!) これ翻訳だけじゃなくて、レイアウト的な問題もあるんじゃないかな。私脚本読むことが、そんなに不慣れではないと思うんですが、それでも「え、これ誰の台詞?」「どういう状況?」「この人何したの?」と何度も思いましたもの。
 で、主人公はハリーでしたね。途中、これアルバスというよりスコーピウスが主人公だなぁ、と思う箇所もあったのですが、最終的にはハリーが持って行きました。…そう、題名自体が「ハリー・ポッターと~」ですもんね。それにしても、ハリーもロンも、相変わらずイラつく性格で(苦笑;)。
 伏線の回収、意外な真相、展開はお見事。そう、タイムパラドックスものは私、大好物なんでしたよ。ちょっと矛盾点はあるんじゃないのかな、とちらっと思いはしたのですが、それでも、今ある未来の為に過去の両親を見殺しにしなければならない、というラストはなかなかに衝撃的でした。

 さて、これで『ハリー・ポッター』シリーズは終わるのか、だらだらと続くのか。なかなかに心中複雑です。