読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ものいうなべ――デンマークのたのしいお話―― メリー・C・ハッチ文 渡辺茂男訳 富山妙子絵 岩波書店 1964年

 童話集。

 かあさん子のたからさがし
よわむしのかあさん子は、両親が死んで、かあさんのこねばちを貰いました。それに乗って海へ出て、とおい王国の台所で働くことに。その国の、たくさんの求婚者に悩んでいるおひめさまに、求婚者を追い払う方法を教えます。毎日金のたまごをひとつずつ生むメンドリと、ひとりでにまわる金の粉ひきと、国のすみずみまで明るくてらす光と知恵をだす金のランプを探し出してくるよういいなさい、と。求婚者はいなくなり、困った王さまは、かあさん子に宝物を持ってくるよう命じます。かあさん子はまたこねばちの船に乗り、かあさんに教えて貰った世界の果ての海の西側に住む、トロルとトロルのおかみさんの元へ行き、メンドリと、続いて粉ひきとランプを取って来ます。トロルの夫婦は、海の水を飲みほしてまでかあさん子を捕まえようとしますが、体がはじけてしまうのでした。

 ものいうなべ
貧乏なお百姓さんは、たった一匹の牝牛を、ものをしゃべるふるぼけた三本足の鉄鍋と交換してしまいます。おかみさんはかんかん。でも翌日から、ものいうなべはぴょんぴょん飛んで、プリンやムギや、お金持ちの家の金貨を詰めて帰って来ました。

 まぬけなむすこ
バターを岩に塗って、売りつけようとするようなまぬけなむすこがおりました。今度は牝牛をつぶした肉を持って、町に出ます。犬に肉をやって、その代金を支払え、と王さまに掛け合うことに。このやりとりにおひめさまは大笑い。王さまは護衛兵まであしらうそのやり方に感心し、むすこをおひめさまのお婿さんにします。

 ふしぎなはいのう
十年働いて、銅貨三昧を貰った兵隊。出会った三人のおばあさんに、銅貨をやってしまいます。おばあさんは実は妖精で、のぞみを三つ叶える、と。兵隊は丈夫で長生きすること、はいのうが駄目にならないこと、兵隊が望むもの何でもはいのうの中に入ってしまうよう頼みます。
さて、兵隊が泊まった宿屋にはだれも生きて出られない部屋がありました。兵隊はその部屋に泊まり、現れた三匹のトロルをはいのうの中に入れ、何故宿屋のその部屋にいたかを聞き出して、やっつけてしまいました。

 なんでも信ずるおひめさま
何でも信じるおひめさまが心配で、王さまはおひめさまに「そんなこと、うそだわ」と言わせた者に国を半分やる、とおふれを出します。誰もが失敗する中、きこりの息子 ほら吹きクラウスが挑戦を始めました。

 おいしゃでたんてい
車いっぱいのシバと、お医者のマントや帽子、長いパイプや杖や本と交換したお百姓。でも看板を書き間違えて、「世界一の名探偵」と掲げてしまいます。王さまの使者に薬を飲ませて、いなくなった馬をみつけてやったり、王さまのお城を訪れて、おひめさまの盗まれた金の指輪をさがしてやったり。

 しあわせばあさん ものしりばあさん
しあわせとものしりとどちらがいいか。二人の魔法使いのおばあさんは若者にものしりの魔法をかけます。若者は時計職人に弟子入りし、王さまの言う無理難題な時計を作ってみせます。すっかり王さまに気に入られた若者は王さまのお小姓に。そして、ものを喋らないおひめさまに、言葉を発させようとおひめさまの目の前で、鏡に喋りかけるのです。

 こしぬけのかいぶつたいじ
貧乏な仕立て屋は、一打ちで七匹のハエを殺したことを切っ掛けに、旅に出ることに。フランコニアと言う国で王さまに命じられて、二人の巨人を退治し、ユニコンの角を封じ、あばれイノシシを教会に閉じ込めました。どれもこれも、仕立て屋が臆病だったからできたこと。仕立て屋は沢山の金貨を貰って、おかみさんの元へ帰ります。…


 『ジャックと豆の木』ってデンマークの話だったけ(いや、違うと思うんですけどね、何しろ主人公「ジャック」だし)と一瞬思ってしまいました。だって何だか牝牛と交換とかトロル(巨人)の持つお宝を盗みに行くとか、モチーフ似てるんだもの。北欧と言えどやっぱりヨーロッパは影響しあってるんだなぁ。「一打ち七匹」ってのもよく聞くフレーズですもんね。
 それにしても、童話の粗筋を書く、って難しいなぁ;