読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

三大悲劇集 血の婚礼 他二篇  ガルシーア・ロルカ著/牛島信明訳  岩波文庫  1992年

血の婚礼 ――三幕七場の悲劇(1933年初演)
 婚礼の朝、花嫁が姿をくらませた。かつての恋人レオナルドと駆け落ちしたらしい。花むこは二人の後を追い、レオナルドと刺し違える。奇しくもレオナルドの一族と花むこの血族には因縁があった。 

イェルマ――三幕六場の悲劇詩(1934年初演)
 子供を渇望するイェルマは、夫のフワンの「子供がいなくても幸せ」という言葉も耳に入らない。とうとう山奥にある礼拝堂の、子供が授かると言う怪し気な儀式に参加するまで思い詰める。 

ベルナルダ・アルバの家――スペインの田舎における女たちのドラマ(1945年初演)
 父親が死んで、莫大な財産を相続した五人姉妹の長女アングスティアス。財産目当ての男と結婚が決まり、だがその相手は彼女の末の妹アデーラと恋仲である。娘たちを抑えつけ、支配するのは専横的な母親、母親はアデーラの不始末を知って婚約者を猟銃で追い払う。…

 

 昨年ドはまりしたアニメ『抱かれたい男一位に脅されています』、その原作漫画の中で『血の婚礼』の名前が出て来てましてですね。寡聞にして知らなかったので、他の劇中劇と同じく作者オリジナルかと思っていたんですが、実在してたんですね。それならちょっと読んでみようかと手を出しました。おかげでレオナルドは高人さんで、花むこはチュン太のビジュアルで浮かぶ浮かぶ(苦笑;)。

 しかし、 いやこれ、どうやって二人芝居に脚色するんだ?? 少なくとも花嫁は必要だろう?? 

 どの作品も古い価値観やどうしようもないしがらみ、激情に捕らわれて破滅していく。解説に曰く、作者自身、同性愛者だったとか。…そりゃカトリックのお膝元、さぞかし生き難かったことだろうて。

 女の子の純血だとか貞操だとかは守られて、でも使われてる言葉は妙に暗喩的でエロいんだよなぁ。

 さて、閉鎖書庫に入っていたような本なのに どうも予約が入っている様子、次の方、同志ですか?(笑) 期限前に返却しますから堪能して下さいね!(笑)