読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

小公子 フランシス・ホジソン・バーネット著/川端康成訳 新潮文庫 2020年

 アメリカでの初出は1886年

 アメリカに生まれた少年・セドリックは、大好きな母や周囲の人々の細やかな愛情に包まれ幸せに暮らしていたが、名も知らぬ貴族の祖父の跡継ぎになるためイギリスへ渡ることとなった。祖父は意地悪で傲慢で、アメリカという国を嫌っていたが、セドリックの純真さに心動かされ、次第に変化していく。だがそこへ真の跡取りを名乗る者が現れて――。
 川端康成の名訳でよみがえる児童文学の傑作。  (裏表紙紹介文より)

 バーネットと言えば、私にとっては『小公女』。ぶどうパンを見ると思い出すほどの愛読書(笑)。特に屋根裏部屋に魔法が施される夜は特に好きで、何度でも読み返してしまう。
 『小公子』は多分、小さい頃 児童向けのは読んだ筈なんですが、完全翻訳版は未読だな、と思ってたら新潮文庫から出版されるとのこと、しかも私の蔵書の『小公女』と同じ川端康成・野上彰の共訳版、ということで早速手に取りました。

 うん。やっぱり読んでたな。おじいさんに肩を貸す場面とか、挿絵まで鮮明に覚えてる。ただ、後半偽物が現れて、ってくだりをすっかり忘れてるのは何なんだろう、クライマックスなのに。
 『クリスマスキャロル』の人物版なのかな、と思ったり。酷い目に合う先祖等々を見る代わり、無邪気で善意のかたまりである少年を見て、わが身を反省する。…とすると、『アルプスの少女ハイジ』ともコンセプトは似てるのか。
 セドリックは確かに可愛らしいのですが、これ、善意につけこむ輩は出てこないかな、カモにされてしまわないかな、とちょっと心配になってしまうのは、私が汚れてしまった所為ですね(苦笑;)。

 表紙が山田章博さん。これは十二国記人気に便乗しよう、ってことですね(笑)。小野不由美さんのインタビュー曰く、泰麒の根底にはセドリックがいるそうなので。確かにセドリックと幼い泰麒と似てました、屋敷の使用人のセドリックへの態度とかも、女仙がちやほやと泰麒の世話を焼きたがる場面と重なりましたよ(笑)。泰麒は素直に可愛いと思えるのは、あれは人間ではないからなんだろうなぁ。基本、麒麟には善意でしか接しないし。本当、絶妙だなぁ。