読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

南海ちゃんの新しいお仕事 階段落ち人生 新井素子著 角川春樹事務所 2022年

 ネタばれあります、すみません;

 「あたし」高井南海は、元カレを追いかけているうちに歩道橋の上から転がり落ちた。あらぬ方向に曲がった足、広がって行く血溜まり。通りすがりの目撃者が救急車を呼んでくれたが、病院に着くころにはかすり傷しかなくなっていた。
 付き添いで救急車に同乗までしてくれた目撃者 板橋徹也は信じられない様子、だが南海は小さい頃からとにかくよく転んで「粗忽姫」と徒名されて、でも大きな怪我は一度もしたことがなかった。
 板橋氏は自分が空間にあるヒビを見ることができる超能力者であること、ただそれは普通の人にはほとんど何の影響もないものだということ、それなのに南海がそれに引っ掛かって転んだこと、その後そのヒビが修復されていたことを語る。どうやら南海には見えないヒビに必ずひっかかり、それを消して、しかも自分の怪我を治す力があるらしい。
 板橋氏は自分の会社に南海をスカウト、二人してひたすら東京都内を歩き回り、見つかるヒビを治して回るという周囲の人からしたら意味不明な仕事をすることになる。やがて、南海が治せるものは自分の体だけでなく、無機物にまで及ぶことが判明した。妹の遺品のカップを元通りに直された山下は、あまりの不思議さに二人を追い回し、その過程で負った怪我を南海に治される。
 これが商売になるのではないか、と気付く板橋。彼には幼くして亡くなった愛娘がいた。…

 ああ、そうだった、こういう文章だったよなぁ、と新井さんの本を読むたびに思い出します。で、今回いつにもましてくどかったような…(苦笑;)。
 別の人が同じ思考過程を経て同じ結論に辿り着く、また他の人に説明する時にそれをいちいち繰り返す、というのをこれだけ書かれるとなぁ、後半は斜め読みしたわ、ごめんなさい。
 前半、南海の実家にあるヒビに、毎日のように引っ掛かっておいてそこは修復されてないのかい、ってのは読んでて不思議だったんですが、どうもそれはこれからのテーマになるようですね。異世界とこの世界をかき混ぜる、ということはいずれ異世界も出てくるんでしょうか。気長に待ってよう(苦笑;)。