読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

十二大戦対十二大戦 西尾維新著 集英社 2017年

 『十二大戦』スピンオフ。
 ネタばれあります、すみません;

 十二年に一度行われる、十二支の名を冠した戦士達の戦い――その名は『十二大戦』。
 だが、その第十二回大会は十二星座の戦犯に狙われていた。
 戦士と戦犯の、苛烈にして壮絶な殺し合いが幕を開ける――!!              (裏表紙紹介文より)

 今回の十二大戦のテーマは、十二名の戦争犯罪人、いわゆる十二星座の戦犯を捕えること。人工島のボールルームに集められた十二戦士は戸惑う。『寅』の戦士・妬良と『午』の戦士・迂々真が退出し、『卯』の戦士・憂城が協力を申し出る中、『子』の戦士・寝住のサーベルが『丑』の戦士・失井を撥ね、憂城の心臓を貫く。寝住は『牡羊』の戦犯 フレンド・シープの変装した姿だった。
 部屋を出た妬良は『魚』の戦犯 ドクター・フィニッシュに薬殺され、迂々真は操られることになる。
 『辰』『巳』の戦士・断罪兄弟は同じく『双子』の戦犯 ダブル・マインドと相対するが、実際には液体を操る『水瓶』の戦犯 マペット・ボトルに武器を封じられ、『射手』の戦犯 ウンスン・サジタリに射殺される。
 『未』の戦士・必爺は迂々真と闘う羽目になる。持ち前の爆弾攻撃で迂々真を倒したものの、武器を全て使い果たしたところで『蟹』の戦犯 サー・カンサーに撲殺された。
 残された四人の戦士はダブル・マインドの爆撃を逃れ、洞窟に逃げ込む。そこで罠を仕掛けて、『獅子』の戦犯 ダンディ・ライオンとダブル・マインドを不発弾で吹き飛ばす。
 『酉』の戦士・庭取の操る鳥の群れに乗って、姿を隠す四戦士。そこに現れたのは『牡羊』の戦犯 ルック・ミーと『乙女』の戦犯 アイアン・メイ。和平交渉に来たという二人はそれを断られ、箒から飛び降り自殺をしてしまった。たまりかねた『申』の戦士・砂粒は交渉に応じる。
 交渉中にも『天秤』の戦犯 バロン・スーと、彼に化けていたフレンド・シープが『亥』の戦士・異能肉に蜂の巣にされ、砂粒とサー・カンサーが毒殺される。
 島から逃げ出す庭取。だがそれはままならず、行き掛けの駄賃とばかりにウンスン・サジタリを百舌の毒で道連れにする。
 死ぬ寸前の砂粒に彼女の能力『三態』を操る力で防御されていた異能肉は、『蠍』の戦犯 スカル・ピョンとマペット・ボトルを撃ち殺すが、『山羊』の戦犯 ゴー・トゥー・ヘブンとドクターフィニッシュと戦っていた『戌』の戦士・怒突をも誤射してしまう。ゴー・トゥー・ヘブンとドクター・フィニッシュは怒突の教え子でもあった。
 そして終戦。十二戦犯の目的とは。…


 前作『十二大戦』はアニメにもなってましたね。どういう世界観で続編を書くのかと思いきや、これではこの作品、無限に続きが書けるなぁ(笑)。
 前回とは退場する順番が逆なんですね、相変わらずの言葉遊びと登場人物のバリエーション。よく思いつくよなぁ。迂々真の声がいい、ってのはアニメから来た設定なんですかね(笑)。
 動機と言うか、理由付けとしては弱いかなとも思いましたが、まぁそれを楽しむ作品ではないかな、と。西尾さんの溢れるイマジネーションに圧倒され、堪能するのが正しい読み方な気がします。