名主の書役として暮らすお麓の閑居へ、能天気なお菅と、派手好きなお修が転がり込んできた。ふたりとも、いわば幼馴染である。お麓は歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていたのだが――。ある日、お菅が空地で倒れた女と声が出せない少女を見つけてきた。厄介事である。お麓にとって悪夢のような日々が始まった。
3人揃えば、騒がしさも厄介も3倍。されど、喜びも感動も3倍⁉
(出版社紹介文より)
初め、お麓目線で話が始まることもあって、お菅さんがどうも鬱陶しくって; 無神経な上マイナスなことばかり愚痴るお菅さん、寂しがり屋でこちらの状況顧みずつきまとう。…こりゃ確かに大変だわ;; 後々情に深い、いわゆるまっとうな価値観の持ち主としての美点はでてくるんですが、それを振り回して息子夫婦との折り合いが悪くなったという一面もあり。全く、長所は短所ですね(苦笑;)。
お麓の、冷静に物事を俯瞰で見る性分は、私はそんなに悪く思えなかったので、本書内でお修さんに言われる忠告は、さして私には響きませんでした。でもお麓さん本人には響いてるんだよなぁ。いや、出来ないことを周囲の協力あてこんで引き受けるより、自分の範囲内で処理する方が適切じゃん。「少々素っ気ないが、決して不親切ではなく、仕事はそつなくこなす」お麓さんのやり方には共感できてしまいましたねぇ。お麓さんのお兄さんの、金の無心に来るのは云々、ってエピソードも、いや、そういう境遇ならお兄さんの方から手を差し入れるのが本筋では??とか思ってしまう。でもお麓さん許しちゃうんですよね、優しいなぁ。
女の子を育てることでみんなが良い方向に向かって行く、というのは王道で気持ちのいい展開でした。今度は三人で堺までの旅が描かれるんでしょうか。続編作れそうな終わり方でした。