シリーズ16冊目。
ネタばれあります、すみません;
第四話 しのぶメイル
8月23日の夜、阿良々木暦は神原駿河を学習塾跡の廃墟に呼び出した。臥煙伊豆湖に神原を紹介する、その了承を得るために。そこで二人は刀を持たない鎧武者に襲われ、間一髪の所を燃え上がる炎に救われる。何故か廃墟は放火の憂き目にあっていた。
道に迷いながらも伊豆湖と待ち合わせしている浪白公園へ、だが伊豆湖はおらず忍と合流、さらに猿蟹蛇のキメラ怪異に襲われたものの、これは忍の食糧となった。
待ち合わせの場所変更、ということで北白蛇神社へ、漸く会えた伊豆湖は鎧武者の正体について、忍ことキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの最初の眷属だと語る。彼は確かに死んだ、と否定する忍。だが、不死身の彼は400年かけて様々な怪異を呑み込み、復活して、今、キスショットに会いたがっていた。
会うつもりはない、と断言する忍、会ってやれ、と詰め寄る神原。阿良々木暦は初代怪異殺しとの決闘を決める。立会人は伊豆湖とエピソード、武器は竹刀だった筈なのに、突然降ってわいた妖刀心渡に。鎧武者は決闘の最中に甲冑を脱いで身軽になる意外っぷり。ふいをつかれ、逆について、暦は初代怪異殺しにお札を貼り付けた。崩れ落ちる彼の喉笛に、忍がかぶりつく。…
前巻からのつづきではないいきなりな展開に、あれ、私読む順番間違えたかな、と少々慌てました。…でも、これでいいのよね、一旦いきなり過去話になるのね。
色々忘れててですね、学習塾が火事になった展開に、あれ、これ何でだったっけ、見覚え(?)あるんだけど、と必死に脳みそ引っくり返して記憶を辿りました。…羽川さんだったねぇ。作者、どこまで話を作ってたんだろう。あとがきに曰く、ずっと書き損ねていた話だったそうなのですが。
神原駿河の思う所も明らかになった一冊、そうか、いつも明るい面が強調されるから見過ごしてたけど、彼女も鬱屈した目にあってるんだよな、怪異を引き寄せた程には。
しのぶは自分の過去に決着をつけていましたね、暦が唯一無二の眷属であり主である、と選んでいた訳だ。いよいよ最後、次巻に続きます。
それにしても、山本周五郎が『美少女一番乗り』なんて作品書いてたとは知りませんでした(苦笑;)。