読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

猫物語(ネコモノガタリ)【黒】 西尾維新著 講談社BOX 2010年

 『物語』シリーズ4作目。
 ゴールデンウィーク、猫に憑かれた羽川翼の物語。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 ゴールデンウィーク初日、妹 月火への恋愛相談で、羽川への思いを恋愛感情ではない、と結論付けた阿良々木暦。エロ本を買いに街に出たら、顔の左半分をガーゼで覆った羽川翼に会ってしまった。羽川の孤独な家庭環境を知る暦。車に轢かれたらしい白い猫の遺骸を二人で葬った次の日、学習塾跡の廃墟で忍野メメは怪異「障り猫」の名を口にする。
 羽川翼の溜まりに溜まったストレスが、怪異に触れたことで覚醒したらしい。手始めに羽川の両親を襲った障り猫は、毎夜、町の人々の生気を奪う。障り猫は羽川の膨大な知識を手に入れたことによって、忍野にさえ手強い相手になっているようだ。暦は吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのなれの果て忍野忍に頭を下げ、彼女の怪異殺しの妖刀『心渡』を借り受けて、障り猫に挑む。障り猫は、もはや羽川翼と分かち難いほど一体となっていた。…


 冒頭、妹との会話で90ページを費やす脱線ぶり、『赤毛のアン』のマリラを妹萌えの観点で見る、ってのは素直に驚きました(笑)。そうか、でもここで阿良々木暦羽川翼を恋愛対象から外してしまったのか。「羽川のために死にたい」とまで思える存在なのに。
 ここで暦が羽川への思いを「恋」としていたら、この後の物語は随分変わった筈で、何かでもそちらの展開を応援したくなってくる不思議(苦笑;)。自身の再生能力を最大限に使った、それでも我が身を顧みない暦の「障り猫」への対処方法は、やっぱり愛じゃないのかなぁ。読んでても痛かったです。