読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

猫物語(ネコモノガタリ)【白】 西尾維新著 講談社BOX 2010年

 『物語』シリーズ。羽川翼が語る、その後の物語。
 ネタばれあります、すみません;

 登校途中、羽川翼は巨大な「虎」に出会う。その日、彼女の自宅が燃えた。
 寝る場所を失くした羽川は、学習塾跡の廃墟で一晩を過ごそうとして、戦場ヶ原ひたぎに怒られる。そのまま彼女の家に泊まる羽川。夜中、「障り猫」と化した羽川はひたぎと交流、翌朝、自身異常と思っていなかった味覚への無頓着さをひたぎに指摘された。
 ひたぎの父親が出張から帰って来て、羽川は阿良々木暦の家に居を移すことに。暦は何故か不在で、その夜、彼の部屋の彼のベッドで、彼のパジャマを着て目覚めた「障り猫」は、今度は忍野忍と出会い、学習塾跡の廃墟が焼失したことを知る。
 翌朝、羽川は臥煙伊豆湖と名乗る女に、怪異『苛虎』の名と、「君は何も知らない」ことを教えられる。それを切っ掛けに、羽川は、自分が自分に都合の悪いことを切り離せて忘れてしまえること、それが『苛虎』になってしまったことに気付いてしまった。
 嫉妬に燃える『苛虎』は、今まで羽川がねぐらとしていた場所を文字通り燃やしてしまった。このままではひたぎのアパートや暦の家まで標的になってしまう。羽川は『苛虎』を、自分の中に取り込む決意をする。羽川は「障り猫」として、『苛虎』に対峙する。…


 羽川の、あまりにも白い、優等生っぷりの理由が明かされる一冊。これ、普通(?)なら多重人格で表わされる所を、この世界だと『怪異』になるのね~。
 色々な所に脱線する構成も相変わらず、でも要になる挿話、自分を殺そうとした吸血鬼狩りエピソードとも平気で会話できてしまう異常性や、ひたぎからの味覚への指摘、自分を大切にしろという説教には、なるほど、と納得しました。で、暦がモテる訳も。西尾さん、こういうとこ上手いなぁ。
 さて、『物語』シリーズは次のステージへ移りました。この時期、暦はどこで何をしていたのか。…しかし、私はこのシリーズ、どこまで続けて読むのかなぁ:;