北のアニマル球団対西のおつまみ球団(?)によるシリーズ最終戦。アニマル球団が相手を食い物にするか!? はたまた、おつまみ球団が相手をお客さんにするか!?
手に汗にぎりながらも、思わず吹き出してしまう本格ナンセンス野球小説登場。
(紹介文より)
作者のエッセイを新聞で見かけ、興味を持ちました。何しろ昆布への思いを熱く熱く語ってらっしゃったものですから。曰く、この作品で昆布を出さなかったことを後悔している、監督としてチーム全体を支えるべきだった、云々。
で、この作品です。ダジャレあり、こじつけあり、全編「うまいこという」合戦。
北海アニマルズの選手がチビトガリネズミ、チーター、ウシ、キリン、オジロワシ、ムカデ、タンチョウヅル、ナマケモノ、トンビ、モグラ、ニワトリ、カメレオン。ヤマアラシをキャッチャーとしてゴリラ、コブラ、キタキツネ、スカンク、ラクダと継投。監督はサケ好きのヒグマ、コーチにゾウやフクロウ。
対する大阪オイデヤスのメンバーは、タコヤキ、串カツ、きつねうどん、お好み焼き、広島風お好み焼き、イワシ、キムチ、てっちり、だしまきたまご、まむし。投手リレーはカニから始まって おしぼり、そうめん、丸もち、鯛茶漬け、京番茶、キャッチャーはバッテラだったのが五回裏から大阪のおばちゃん客へ。
ミートがうまいウシには「大リーグへ行ったマツサカ」という親戚がいたり、ニワトリとだしまきたまごで「どちらが先か」争ったり。あしらいがうまいおかみコーチ、のらりくらりの のれん監督、お好み焼きは広島から移籍してきた広島風お好み焼きと確執があるそうで。
全体的に、食べ物関係の方が広がりがよかったような、というか「アニマル」に括られた北海アニマルズよりおしぼりからおばちゃんまで出してくる大阪オイデヤスの方が圧倒的に守備範囲が広い(笑)。
よくこれだけ考えたよなぁ。面白かったです。