読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

予言村の転校生 堀川アサコ著 文春文庫 2014年

 竜胆市のしがない市役所職員だった父親・育雄が、故郷・こよみ村の村長選挙に出る、と言い出した。先日亡くなった祖父の後を継ぐと言う。母親も娘・奈央も大反対、だが育雄曰く「もう村長になるのは決まってるから」とのこと。こよみ村には門外不出の「予言暦」なるものがあって、これから先のことが全て書かれているのだとか。予言暦を狙って、スランプの占い師や新聞記者がこよみ村を訪れる。だがその全員が、事件が終わった後の記憶を失っていた。
 芸能界を引退してこよみ村でロハス生活を送っている元アイドルとその息子、夜な夜ないなくなった妻を捜して徘徊するよろず屋の主人、こよみ村にバイパス道路を通して陸の孤島から脱却させたいと村長に立候補した十文字、「村八分」と呼ばれる村の便利屋 イケメン松浦、ド田舎のままのこよみ村を大切にしたい反対派の人々。その昔、村に住んでいた楠美博士は今回の騒動に関わっているのか。
 父についてこよみ村に住むことになった奈央は、様々に不思議な体験をする。…

 
 どこかに連載されていた作品なのかしら、と奥付を確認したのですが、どうやら文庫書き下ろしのようで。…その割に、何だかいちいち説明が丁寧で。登場人物の紹介とかエピソードとか、出てくる度に状況説明の記述があったりして、ここまでされるとくどいなぁ、と思ってしまいましたよ、すみません;
 各事件の犯人については納得したものの、それでも解決されない不思議はある訳で。予言暦については今後、読める人がいなくなるんだよなぁ。何だか勿体ない気がしないでもない。でもまぁ、これも時代の流れなのかしら。奈央が読めるようになるのも、何だか違う気がしますものね。