読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

彩雲国物語~隣の百合は白  雪乃紗衣著/由羅カイリイラスト  角川ビーンズ文庫  2007年

 シリーズ番外編。年末の武術大会のどたばたを描いた短編一本と、紅家の三兄弟の過去を描いた中編2編収録。
 やっぱり友人・まいさんにずっと借りパチ状態の本です、まいさんいつもごめんね~;

 恋愛指南争奪戦!
 精鋭羽林軍武官たちの士気高揚のため、武術仕合の開催を決めた左右両大将軍。優勝賞品が櫂州牧からの、一対一での恋愛徹底指南と聞いて、何と劉輝まで参加してきた。バイト料につられて訳の分からないまま後宮へ連れ込まれてしまった秀麗を心配して、静蘭も優勝を目指す。優勝賞品は誰の手に?

 お伽話のはじまりは
 紅家の申し分ない跡取りとして、邵可は大叔母である前王の寵姫・紅玉環から多大な期待を寄せられていた。だが邵可は家を出て黒狼・北斗に師事し、結果的に玉環と敵対することになる。紅家を、弟たちを守るために。

 地獄の沙汰も君次第
 邵可は家を出て行く際、弟たちの面倒を百合姫に託した。玉環ゆかりの百合姫は、普段は譲葉という男名で紅家の仕事を手伝っている。我儘な黎深に振り回され、心落ち着かない日々。小さな子供を拾っては来たが面倒を見ることもせず、国試を受けると貴陽に行って同じ受験生に迷惑をかけ、百合姫は文句を言いつつ尻拭いにかけずり回る。鳳珠に見染められデートまでしたが、結局黎深に邪魔される。しかし彼女は紅家の籠からでることはできない。百合姫の出自には大きな秘密があったから。

 幸せのカタチ
 絳攸が百合姫に尋ねる。自分がそう望んだものの、今の状況は百合姫には幸せなのか。…

 キャラクター中心、邵可や黎深の過去が明らかになる一冊。相変わらずのどたばたっぷり、文章饒舌ですね。最初の一本なんか作者が楽しんで書いてるな、ってのがありあり伝わって来る感じ。思いついたこと全部書いてる気もしないではないけれど(笑)。
 百合姫の選択がいいように思えないのは、私が黎深にあまりいい印象がないからでしょうね~、私ならごめんだな(笑)。百合姫の意志はどこ、って気もするし。…それをフォローするための最終話なんでしょうけど。