読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

彩雲国物語~黄梁の夢  雪乃紗衣著/由羅カイリイラスト  角川ビーンズ文庫  2009年

 『彩雲国』シリーズ18冊目、外伝三編収録。

 鈴蘭の咲く頃に
 静蘭がまだ清苑公子と呼ばれていた頃。長子よりも利発で、でも不器用な清苑は、父王・戩華の後継者争いの台風の目になっていく。誰にも心を開くことができない清苑には仲間もおらず、母からも怯えられる日々。結局謀反の疑いをかけられて都から追放されるが、清苑にはその黒幕が最後まで見えなかった。

 空の青、風の呼ぶ声
 一家を惨殺され、ただ一人生き残った燕青。不思議な銀色狼に命を救われ、仙人(?)のような山の主・師匠に育てられたが、復讐の念が消えることはなかった。茶家当主から師匠に、強盗集団“殺刃賊”壊滅の依頼が来たのを切っ掛けに、燕青は“殺刃賊”のねぐら梁山に潜り込み、機会を伺う。そこで見たのは、次々に差し向けられる刺客を、鎖に繋がれたままただ殺して行く少年の姿だった。

 千一夜
 縹家の異能の力の源は、八仙のうちの一人・紅、すなわち薔薇姫を捕えたことに由来する。先代黒狼が何故か失敗した薔薇姫の暗殺に、邵可は挑むことになった。戩華王から預かった二本の霊剣を手に縹家に潜り込み、多大な犠牲を払って彼女の前に立った邵可は、薔薇姫の問いかけを受ける。「ここへ生きるためにきたのか、死ぬためにきたのか」… 

 秀麗が産まれた後の一シーンを描いた『千一夜のそのあとに』収録。


 ああ、やっぱり色々登場人物を忘れてて、「この人誰だったっけ?;」になってしまった;;
 覚えてたら、「ああ、こんな所にもあの人が」って思ったんだろうなぁ。ちゃんと続けて読んどけばよかったなぁ。
 静蘭を陥れた黒幕には成程、と思いました。静蘭より賢かった訳ね。…でも、まだ十幾つの子にそれを求めるのも、って感じはしましたが。
 それにしても、この作者本当に人を殺さないなぁ。前回の作品で清牙が致命傷負った時も、全然はらはらしないんですよね、死ぬわけないな、と思ってしまうから。今回の“殺刃賊”参謀“智多星”にしても、正体にはおお、と思っても「いや、死んだりとかはないな」「きっとハッピーエンドだよ」とか高を括っちゃう。で、やっぱり予想は当たるし。
 さて、次からは最終章突入でしたよね。