読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

蒼い月~なみだ事件簿にさようなら!  鯨統一郎著  祥伝社NON NOVEL  2008年

 サイコセラピスト探偵波田煌子の活躍する『なみだ』シリーズ完結編。

 若い女性が凌辱されて殺される事件が相次いで起こった。現場には青いペンキで“蒼い月”の文字、心理学者の主計龍太郎は、これはサイコキラーの犯行でまだまだ事件は起きる、と推測する。警察庁で特別捜査班が組まれる中、過去の実績から波田煌子も協力を呼びかけられた。しかも以前煌子の下で働いていた小野寺久美子が、どうやら次の被害者として拉致されたらしいと言う連絡が入る。
 被害者三人の自宅の様子から、犯人の職業の目星をつけた煌子。犯人を追い詰めないでほしいと言う願いも空しく、主計はTV番組で捜査状況をばらしてしまう。
 煌子が幼い頃両親を喪った連続放火殺人事件、今まで煌子が解決した7件の猟奇事件も関係しているらしい。久美子は無事救出できるのか、裏で糸を引いている人物は。…

 最終話は長編一本。
 犯人の察しがついちゃうのに読ませる手腕はさすが。久美子さん助かるんだろうな、と思いながらも読んでしまいました。でもできればもっとずっと軽いノリで、気楽に読ませてほしかったかも。
 お茶やお菓子の蘊蓄がほとんどなかったのが寂しい限りでした。育てられたお家がお茶屋さん、と言うことで煌子さんその素養はあったのね~。
 完結編とか言いながら続き出そうな感じですけどね、煌子さん過去のわだかまりにも決着付いて、やりたいことがみつかったらしいし。