平山瑞穂、デビュー二作目。
ネタばれになってる気がします、すみません;
葉山タカシは地道に受験勉強に励む高校三年生。メガネショップで相手してくれた店員・織部あずさが気になって仕方がない。彼女との再会を楽しみに注文したメガネを引き取りに行くが、彼女はすでに店を辞めていた。しかも不思議なことに、他の店員は彼女のことをあまり覚えていない様子。首を傾げる彼の前に、彼女は下級生として現れた。
フランスからの帰国子女だと言うあずさは、一年学年を遅らせて日本の学校に復学したらしい。再会したばかりだと言うのに、タカシを誘って午後の授業をボイコット、遊園地へ繰り出す。
彼女と楽しいひと時を過ごすタカシ。だが気が付くと、タカシは一人で遊園地のラウンジにいた。彼女の姿は見えない。彼女がいなくなった時の記憶もない。翌日彼女の教室を訪ねるが、やはり彼女はよそよそしい態度を取ったまま、姿を消す。混乱するタカシに、やがてあずさの方から連絡が来る。信じられないだろうけど、との前置きで彼女が語るには、あずさは文字通り、この世界から<消える>ことがあるとのこと。
その間、彼女の周りの人も彼女の存在を忘れるらしい。存在感の薄い人間が記憶の中から消えるように、あずさも姿が消えてしまう。しかもその時間はどんどん長くなって行く。いずれ自分が消えてしまうことを彼女は覚悟している。だからこそ、一度会ったきりのタカシがあずさを覚えていたことが、あずさには嬉しかった。
タカシは彼女を覚えておくため、必死の努力をする。あずさとの会話をノートに書き留め読み返し、彼女の姿をビデオに撮影し、親友のヒロトに紹介する。だが気が付くとビデオはどこかへ失くしてしまっているし、ヒロトは彼女を覚えていない。あまつさえ、ノートを捨てようとしていた自分に愕然とする。
あずさの消える時間が増え、やがて本当に<フェードアウト>する時が来る。彼女を覚えておこうとするタカシの努力は、やがて小説を読んだような、他人ごとの記憶になっていく。そんな彼に、ヒロトは一本のビデオを差し出す。失くしたと思っていた彼女のビデオを。…
ネタばれになってる気がします、すみません;
葉山タカシは地道に受験勉強に励む高校三年生。メガネショップで相手してくれた店員・織部あずさが気になって仕方がない。彼女との再会を楽しみに注文したメガネを引き取りに行くが、彼女はすでに店を辞めていた。しかも不思議なことに、他の店員は彼女のことをあまり覚えていない様子。首を傾げる彼の前に、彼女は下級生として現れた。
フランスからの帰国子女だと言うあずさは、一年学年を遅らせて日本の学校に復学したらしい。再会したばかりだと言うのに、タカシを誘って午後の授業をボイコット、遊園地へ繰り出す。
彼女と楽しいひと時を過ごすタカシ。だが気が付くと、タカシは一人で遊園地のラウンジにいた。彼女の姿は見えない。彼女がいなくなった時の記憶もない。翌日彼女の教室を訪ねるが、やはり彼女はよそよそしい態度を取ったまま、姿を消す。混乱するタカシに、やがてあずさの方から連絡が来る。信じられないだろうけど、との前置きで彼女が語るには、あずさは文字通り、この世界から<消える>ことがあるとのこと。
その間、彼女の周りの人も彼女の存在を忘れるらしい。存在感の薄い人間が記憶の中から消えるように、あずさも姿が消えてしまう。しかもその時間はどんどん長くなって行く。いずれ自分が消えてしまうことを彼女は覚悟している。だからこそ、一度会ったきりのタカシがあずさを覚えていたことが、あずさには嬉しかった。
タカシは彼女を覚えておくため、必死の努力をする。あずさとの会話をノートに書き留め読み返し、彼女の姿をビデオに撮影し、親友のヒロトに紹介する。だが気が付くとビデオはどこかへ失くしてしまっているし、ヒロトは彼女を覚えていない。あまつさえ、ノートを捨てようとしていた自分に愕然とする。
あずさの消える時間が増え、やがて本当に<フェードアウト>する時が来る。彼女を覚えておこうとするタカシの努力は、やがて小説を読んだような、他人ごとの記憶になっていく。そんな彼に、ヒロトは一本のビデオを差し出す。失くしたと思っていた彼女のビデオを。…
この人もファンタジーノベル大賞出身。受賞作はアクが強くてあまり好みではなかったのですが、作品は順調に発表されてたんですね。それにしてもえらく作風違うなぁ。
連想したのは越谷オサム『陽だまりの彼女』。好きな女の子がいなくなる話、と乱暴にくくってしまうと、『世界の中心で愛を叫ぶ』も同系統ですね。
う~ん、う~ん、う~ん。一気に読める読み易さ、ぼろ泣きしてもいい内容なのに、どうして素直に楽しめなかったんだろう; 男の子の目線からの恋のときめきや切なさ、初々しさ。その辺りは伝わってくるんだけど、どうももの凄くキツい言い方をすると、「…自分に酔ってないか…?」って疑問が頭の隅から抜けなくてノリ切れなかった、と言うような;; この前に読んだ同じ作者の『冥王星パーティ』が私にはすこぶる印象が悪くて、それを今回まで引きずってしまったかも。
「平山瑞穂」と言う名前にもかかわらず、何の疑問もなく「作者は男だ」と分かる作風ですよね。親友のヒロトくんはいい味出してたんだけどなぁ。
連想したのは越谷オサム『陽だまりの彼女』。好きな女の子がいなくなる話、と乱暴にくくってしまうと、『世界の中心で愛を叫ぶ』も同系統ですね。
う~ん、う~ん、う~ん。一気に読める読み易さ、ぼろ泣きしてもいい内容なのに、どうして素直に楽しめなかったんだろう; 男の子の目線からの恋のときめきや切なさ、初々しさ。その辺りは伝わってくるんだけど、どうももの凄くキツい言い方をすると、「…自分に酔ってないか…?」って疑問が頭の隅から抜けなくてノリ切れなかった、と言うような;; この前に読んだ同じ作者の『冥王星パーティ』が私にはすこぶる印象が悪くて、それを今回まで引きずってしまったかも。
「平山瑞穂」と言う名前にもかかわらず、何の疑問もなく「作者は男だ」と分かる作風ですよね。親友のヒロトくんはいい味出してたんだけどなぁ。