読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

彩雲国物語~紅梅は夜に香る 雪乃紗衣著/由羅カイリイラスト 角川ビーンズ文庫 2006年

 この本はまいさんにお借りしました、まいさんどうもありがとう♪
 「彩雲国」シリーズ11冊目、ネタばれあります、すみません;

 首都・貴陽に帰ってきた秀麗。茶州でのごたごたの責任を一手に引っ被っての自宅謹慎中。それでも秀麗を慕う下街の人々から色々な相談を持ち掛けられて日々を過ごしている。そんな彼女に求婚する男が現れた。名前は榛蘇芳、下級官吏ながら仕事をサボり倒し、日がな一日ぐうたら過ごす。秀麗を寿退官に追い込むため利用されていることを自覚した上、隠しもしない。丁度来ていた幼なじみの三太こと慶張が持ってきた書画も、蘇芳が秀麗への贈り物として持ってきた巻物も偽物だったことから、秀麗たちと共に、胡蝶妓さんの妓楼や書画屋、金物屋、工部官吏・欧陽玉宅を廻って真相究明につきあうハメになる。一方、劉輝たちも稀代の天才画家・碧幽谷を訪ねて下街へ来ていた。問題の書画が幽谷の筆致に似ていたことから、劉輝たちは最終的に秀麗一行と行動が一になる。偽画の作製・販売、それに伴い国家的犯罪、偽金作りが判明する。…

 頑張る主人公・秀麗が「頑張る」理由が語られる一編。あくまで前向き、落ち込んでも仕方ないからとにかくやるだけのことはやる。そんな秀麗に蘇芳は疑問を投げ掛ける。そんなに頑張ってどうするの、利用されてるだけじゃないか。そして掘り起こされる蘇芳家の陰。…これは作者が誰かから指摘されたのかなぁ。気持ち凄くよく解る。秀麗は優等生、非の打ち所のない、本当に「いい子」。だけど、ある程度トシくうと、もういいじゃん、休んだりグレたりしようよ、とか思ってしまうんだよなぁ(笑)。まぁとにかくティーンズ向け、努力した分ちゃんと報われるしね(笑)。前にも書いたけど、秀麗の後輩の女の子大変だなぁ、秀麗と比べられるんだもの。
 ラスト、秀麗はクビになるみたいだし「結婚しない」宣言はするし、次巻へのヒキは十分ですね。
 …それにしてもこの作者、登場人物殺せないなぁ。