読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

アジアンタムブルー 大崎善生著 角川書店 2002年

 アダルト雑誌の編集者「僕」山崎は、恋人葉子を亡くした。彼女とよく行ったデパートの屋上で、マンションの部屋で、ショットバーで、僕は回想する。故郷で中学の時味わった屈辱や、漠然とした死への恐怖、美しい先輩との思い出と、そして彼女との出会いを。写真家の彼女が末期癌に冒され、死を迎えるまでの一ヶ月を共にニースで過ごしたときを。日本への帰国後、「僕」がプレゼントした彼女の本から手紙が出てくる。「私に誇りをくれて本当に本当にありがとう」…その言葉を支えに、「僕」は憂鬱の中から立ち上がる。葉子が望んだ普通の生活に戻るために。…

 …事情が判っているとは言え、一週間の無断欠勤を許してくれるなんて、なんていい勤め先なんだ。
 作者も内容も知らない作品だったのですが、図書館に行くたび気になっていた本でした。装丁と題名が何だか凄く目に止まって。で、とうとう借りてみたのですが、…恋愛小説だったのね~。まぁ、進まない進まない(笑)。
 彼女との思い出のシーンに絶えず流れるBGM。洋楽の題名言われたってわかんないよ~、素養ないもん。彼女が余命一ヶ月と判って思い出のニースへ行く、ってのはいいんだけど、言葉は不自由なかったのかな(←素朴な疑問)。シチュエーションとしては海外ドラマ『ER』グリーン先生の最期と同じですね。あっちはもうぼろぼろ泣いたのに、この作品では全く涙は出なかったわ、どうしてかしら??
 彼女が彼に愛されて、そのことで自分に誇りを持つ。その事実が彼にも誇りを与える。それはとても解るんだけど…。
 今回と『世界の中心で、…』で判りました。私、恋愛小説は駄目だわ。特に男性作家の分は。今回の個人的収穫はこれだな、うん。…て何か今さらですが(笑)。