単行本の刊行は2013年。ネタばれになってるかな、すみません;
戦争(ピリオド)の影響と電子書籍の普及により、紙の本が貴重な文化財となった近未来。“特別保護司書官”のワルツさんが代表を務める、本を無料で貸し出すサエズリ図書館を舞台に、本を愛し本に導かれた人々の物語が始まるーー。
就職活動に全敗し、希望していた専門職の試験にも体調不良で棄権したチドリさん。自信を失った彼女は、偶然出会った老図書修復家の鮮やかな職人技に魅せられる。その後サエズリ図書館で彼と再会するが、彼は紙の本が稀少化した現実に絶望しており……。(サエズリ図書館のチドリさん)
図書修復家たちの再出発を描く中編ほか、サエズリ図書館に勤めるサトミさんが、年を取って得た「なりたかったもの」の話(サエズリ図書館のサトミさん)
サエズリ図書館に執拗に書籍電子化依頼のメールを送って来る電子図書館司書ヒビキ・ユウ、それを拒否するワルツさんの元にマッチと木炭が送られて来た(電子図書館7のヒビキさん)
ワルツさんに結婚を申し込んだのは、かつて割津教授の下で同じ研究をしていた拝島だった。割津教授の持ち物だったという手帖を彼女に送る拝島。そこに書いてある読書記録と共に、文通でワルツさんとの距離を縮める。図書館に通う人々は、その様子を見守っていた(サエズリ図書館のタンゴくん)… (中表紙の紹介文に付け足しました)
シリーズ2冊目。
色々事象が重なって自分に自信を持てないチドリさん、その大元の原因と「天職」を知る話。…うん、こう言って貰えたら、そりゃ嬉しいよなぁ。
最終話の拝島さんとのやり取りが、短編ながら結構怖いものでしたね。ワルツさんの「理想の人が現れた」みたいな感じで、うわぁ、申し分なく胸キュンな相手じゃん、と思ってたら。…いや、これ、ここまで周到にお膳立てされてるのに、ちゃんと違和感に気付くワルツさん凄ぇよ、どこまで冷静な人なんだよ(笑)。
どうやらワルツさんにはタンゴくんが付き添う様子、あとがきを見ると続きが出そうな気配が無きにしも非ずなんですが。気長に待ちます(笑)。