ネタばれになってるかなぁ、すみません;
宮崎駿監督復帰作品。
見に行くつもりではいたのですが、のんびり構えてたら うちの近くの映画館ではいつの間にやら一日一回上映に。これは大変、と見てきました。
連想したのは梨木香歩さん。あと氷室冴子さんの初期作品で、タイムスリップして子供時分の自分の母親と会う、というお話があったんですが、それも。
主人公は狡猾さを備えた少年。自分の喧嘩に親を巻き込み、それを罪悪感なく手段の一つとして使うような。まぁ、あの父親ならそういう風に育つのもむべなるかな、新しいお母さんは宮崎アニメ屈指の美人さんでした。あの時代なら「姉の次は妹を嫁にする」ことがあるのは分かりますが、それでも一瞬ひるみましたね(苦笑;)。
狡さも含めた自分を全て認め、肯定する。母親に確かに愛されている自分を確認して。例え炎に焼かれる最期が待っていても あなたを産める未来は素敵、と言い切られたら、ぐれてる場合じゃなくなるよなぁ。
終盤、舞い飛ぶセキセイインコを見て「かわいい!」と叫ぶナツコさん、でもその姿は鳥のフンにまみれていて、これは何を隠喩しているのか。裏の世界で でも「あんたなんか大嫌い!」と声を張り上げたことは事実で、眞人はそれも包んで叔母を受け入れる。行きて帰りし物語。
私は梨木香歩さんの『裏庭』を、ある種の悩みを抱えた子供には福音の書になるんじゃないかと思っているんですが、この映画も、一定の子供に響く作品ではないかと思います。
トリスキーさんたちがこの映画をどう見るのかも知りたいです。わんさか出てくる鳥が、総じて不気味に描かれているので。でも、空を切る姿は爽快なんだよなぁ。
そうそう、パンフレットを購入したんですが、これは買わなくてよかったです(苦笑;)。