読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

メゲるときも、すこやかなるときも 堀川アサコ著 講談社文庫 2023年

 『捜さないでください。ごめんなさい。雪男』
 新型コロナ蔓延による緊急事態宣言が発令された日、夫のユキオが失踪する。結婚以来、秘宝のごとく彼に大切にされてきた乃亜は、職場のマツクラ食堂を訪ねるが手がかりなし。占いでは「すでにこの世の人ではない」と言われてしまった。乃亜は食堂の立て直しを図り、ユキオをを待つ。その場にいた女性 山田民を雇い、幼馴染みの真司に連れて行って貰ったバーのバーテンダー小倉を料理人として迎え入れ、資金援助は両親に頼った。だがただでさえコロナ禍、なかなかうまく行かない。泥棒に入られるわホームレスのおじさんからチワワを押し付けられるわ、出費は嵩むばかり。親友の恋愛相談まで持ち掛けられ、それに乗ってしまう乃亜はおっとりとしたお人好し、だがやがて両親がユキオに呑ませたとんでもない結婚条件や、ユキオの裏切りまで明らかになる。ユキオは帰って来るのだろうか。
 普通の人々の普通の暮らしが愛おしくなる小説。 (裏表紙紹介文に付け足しました)

 ええと、結局真司は仕事をクビになったりはしてないのね? 途中から店への訪問回数が増えて、おかしいぞあいつみたいな感じになってたけど。
 どうにも乃亜の造形に違和感というかがあってですね、色々首を傾げました。プロの飲食経営者が四苦八苦したコロナ禍で、素人がお店始めて成功するのか? 元々「地頭はよかった」って設定はあったけど、それにしたってそれまであんなに浮世離れしてたじゃん。親友 修子の恋バナだって、あれめでたしめでたしでいいの?と思ってしまいました。いや、相手に子供がいるって大ごとだよ、それを最後の最後にしか言い出さないような人、私が友人なら止めといたら、って言っちゃうよ。
 どうにもお話をそのまま飲み込んで楽しむことができませんでした、うぬぅ;
 それにしても、「コロナ文学」って一ジャンルができそうだなぁ。