ひなたの待つ駒橋高校の文化祭に駆けつけた零。
ファイアーパーティーの炎を眺めながら ふたりの間で交わされる言葉は―――。
季節は実りの秋。
「天才」に異様な嫉妬を燃やす「元天才」棋士 野火止あづさ六段、重厚な棋風に経験という厚みを増したベテラン 田中太一郎七段、一筋縄ではいかない相手との対局を通し、零は確かな成長を遂げていく。
(裏表紙紹介文に付け足しました)
周囲にいる人たちの耳をダンボにさせて、零くんとひなたちゃんは、あれ恋人同士になったのかな?(笑)
この巻も名言目白押し、
「できない」には「本当にできない」と「しんどそうでやりたくない」の2種類がある
――そして大抵の夢は「しんどそうでやりたくない」の先に光ってる
…耳に痛い; 野火止あづさ六段、何だかんだ、真面目で並外れた努力家なんだよなぁ。
で、田中七段はいつの間にやら喋るようになってるし(笑)
「口だけ出して責任は取らない奴の言う事なんてきかなくていいんだよ」
…本当に。
田中七段が背負ってきたものを知って、零は自分を恥じますが、…いや、十分重いものだよ零くん、幸せになってくれよ! 若かりし頃の父の様子を聞いて、「がんばったんだな」と言って貰えた零くん。「僕が失くしたもの」「手に入れたもの」「僕がこれから失くすもの」でひなたちゃんの笑顔のアップがくる不穏さ。「失くしたくないもの」、どうか失くしませんように。
15巻では作者の愛猫との別れも挟み描かれています。描けた、ということは作者の中で一区切りはもうついたのかな。こちらも胸が締め付けられるようでした。ぶんちゃん、天国でたのしく暮らしてね。