読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 九 淵泉篇 高田郁著 2020年 角川春樹事務所

 シリーズ9作目。
 ネタばれあります、すみません;

 結はようやく出来上がった干支文字の伊勢型紙を持ち出して出奔し、音羽屋に駆け込んだ。幸の必死の説得も結には届かず、結は音羽屋の後添いに納まり、日本橋で呉服屋を開店する。彫師が型紙にこっそり彫り込んだ五鈴屋の屋号が最悪の事態を救い、その型紙で摺った小紋は五鈴屋の宣伝にもなった。
 飛び込みで来た侍に縮緬を売ったことから、五鈴屋は他店の顧客を奪い取ったと訴えられ、呉服仲間から外されてしまう。悪意を持って五鈴屋を陥れようとしている存在があることを、幸は惣次から示唆される。太物しか取り扱えなくなって売り上げも落ち、途方に暮れる五鈴屋。だが兄の友人だったという儒学者 弥右衛門と再会し、難事こそ新たな希望を、と前を向く決意をする。
 長らく延び延びになっていた大坂本家への帰坂、幸は懐かしい人々と再会する。小間物商 紅屋へ出戻った菊栄は、その商才故に兄に疎まれている現状を話し、新しい意匠の簪を武器に江戸へ出る気でいることを幸に伝える。
 江戸へ戻った幸は、芝居小屋の楽屋裏で着る浴衣の注文を受ける。本来下着であるものを、そうでないように見せる工夫。何回もの使用に耐えるべく、藍の引き染めではなく、しっかり染まる浸け染めで、しかも模様がくっきりと鮮やかに見えるよう。染師の力造が、木綿の両面の型紙に寸分狂わず糊を置く技術を会得する。…

 結さんはとうとう戻ってきませんでした。今まで身に着けたやり方、工夫をそっくり真似て、幸の最大のライバルとして立ちはだかります。和解は、いずれするのかな、どうなんでしょう。音羽屋は何であんなに五鈴屋を目の敵にするのか。
 気になるのは菊栄さんですね、いずれタッグを組むのかしら。アクセサリーと併せて着る物を売る、ってのは十分あり得ますものね、いわゆるトータルコーディネート。西條奈加さんの『恋細工』、職人とカリスマ販売員の話がとにかく面白かったので、あんな風になるのかな、と今から楽しみです。
 次巻に続きます。

創竜伝 5 〈蜃気楼都市(ミラージュ・シティ)〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1990年

 『創竜伝』番外編。

 20世紀の終焉を数年後に控えた年の9月1日、竜堂家の四兄弟は日本海を臨む美しい学園都市に来ていた。祖父 竜堂司の友人で、白楊学院創立者 日高順三が、神聖真理教団という新興宗教と 市の実力者 名雲泰信から、学院立ち退きを迫られ、嫌がらせを受けているとのこと。
 それぞれ臨時教師や高等部・中等部生徒として学院に潜入し、様子を見る四人。市は名雲財閥の恩恵を受け、名雲の不正もおいそれと摘発できない状態、教団員も生徒にまで及んでいる。教団は学院内にある竜穴の存在に気付き、ここを起点に日本を支配しようとしているらしい。
 名雲と教団は対立し、名雲が経営する巨大工場は火の海となった。四兄弟も竜穴内で土砂に埋もれてしまう。その時、天空に四色の竜が飛び交った。…

 パラレルワールドと言いましょうか、時間軸的に本編とは相いれない特別編(笑)。
 やっぱり、今出版されるとしたら「この辺りの言い回しは変わるだろうな」と思う箇所は多数ありました。終くんの飲酒シーンだったり、続兄さんの 同性から受けたセクハラに対する口撃だったり。30年で随分変わったなぁ。
 あとがき代わりの竜堂兄弟座談会で「作者は、作品を未完に終わらせてはならないという強迫観念の所有者」とあった一文が何だか眩しい(笑)。
 さて、6巻目は本編に戻るんでしたね。アメリカに渡った一同はいかに。

創竜伝 4 〈四兄弟(ドラゴン)脱出行〉 講談社ノベルス 田中芳樹著 1989年

 シリーズ4冊目。

 始が祖父の残した蔵書の山を漁っている竜堂邸に、公安警察が乗り込んできた。とりあえず刑事たちをのして、墨田川河口へ逃げる四兄弟と茉理。彼らを追いかけて来たレディLは、始に中性子爆弾を取り付けることに成功する。単なる脅しの筈だったのが、マッド・サイエンティストが起動スイッチを押してしまった。始は爆弾を抱え込んで爆弾被害を防ぎ、自身は原子力空母に捕らわれの身となる。
 生体解剖しようとした田母沢博士にメスを突き立てられ、始は青竜に変身。重力を操り空母を浮かせ ソ連領空を侵犯、北極海上空を通ってアメリカ本国へ進む。
 一方、残る三兄弟と茉理首相官邸を襲って総理大臣と官房長官を人質に取り、合流してきた虹川 蜃海 水地と共に、自衛隊輸送機で始の元に向かおうとしていた。だが機内に潜んでいたレインジャーによって輸送機が破損、三兄弟は竜になって、輸送機を守りながら始の元へ急ぐ。青竜の居場所は、何故か余が感知していた。
 アメリカ各基地を破壊し、飛び交う核ミサイルを撃破する四竜。人身となった四兄弟はアメリモンタナ州に降り立ち、茉理たちを探す。茉理たちの乗っていた輸送機は、バージニア州に置かれていた。…

 始兄さんが青竜に変身。備わっていた能力は木がにょきにょき、ではなく重力操作でした(笑)。
 殷周革命とか牛種との因縁とか、前世の出来事が描かれ始めた第四巻。茉理ちゃんもタダモノじゃないことが明らかになります。レディL、田母沢博士もあっさり退場。まぁこれは、さっさと片付いて貰わないとね。
 敵側に黒幕がいるように、こちらにも八賢人がついている様子。舞台はアメリカに移ります。
 次巻へ続きます。

雨の中の涙のように 遠田潤子著 光文社 2020年

 連作短編集、になるのかな。
 ネタばれあります、すみません。

 第一章 垣見五郎兵衛の握手会
 時代劇の大部屋俳優 伍郎が役者を諦めたのは、堀尾葉介に会ったからだった。容姿だけのアイドルだと侮っていたのに、圧倒的オーラを持ちながら物腰柔らかく、才能に恵まれている上努力も惜しまない。伍郎は恋人で女優のさくらに、夢を諦めて郷里に帰ることを切り出す。結局さくらは共に来ず、伍郎の前から姿を消した。10年後、姪っ子が持ってきたアイドル雑誌に、伍郎はさくらの娘らしい少女の姿を見る。

 第二章 だし巻きとマックィーンのアランセーター
 斜陽を迎える朝田商店街で、小西鶏卵店のだし巻きは、元アイドル 堀尾葉介の思い出の味として未だ売れ続けている。葉介の影響力は凄まじく、父の跡を継いで毎日黙々とだし巻きを焼いていた章に、葉介目当てで近付いてくる女性ファンがいるほど。周囲の店に迷惑をかけ、章に女性不審を抱かせた葉介が、またTVの取材で商店街を訪ねて来るという。

 第三章 ひょうたん池のレッド・オクトーバー
 アメリカでフライフィッシングのガイドをする前、村下九月は三重県ヘラブナの釣り堀を経営していた。下校時、小学校で虐められている様子の転校生がわが子と重なり、九月はその子――堀尾葉介の面倒を見てやるようになる。葉介と共に釣り堀に来る母親 佐智。九月はやがて、佐智と想いあうようになる。

 第四章 レプリカントよもぎのお守り
 幼い頃 川で祖父を亡くし、潜水士として働いて後輩を亡くし、横山龍彦は水に潜れなくなった。知る人ぞ知る高級別荘地のカフェレストランに転がり込み、オーナーシェフの志緒に拾われた。志緒を手伝って働くうち、龍彦はとある老夫婦と知り合う。車椅子の夫人を甲斐甲斐しく世話する夫。微笑ましく見守っていたが、老夫が堀尾葉介の親だと判り、周囲が落ち着かなくなっていく。

 第五章 真空管と女王陛下のカーボーイ
 丸子浩志はペット探偵。父子家庭で、歯科衛生士の恋人がいる。ある日、映画の役作りとして堀尾葉介に取材を申し込まれた。共に迷い猫を探すうち、すっかりやせ細った仔猫を見つける。死体と思しき髪の長い女も。

 第六章 炭焼き男とシャワーカーテリング
 堀尾葉介が映画の撮影で福井県にいる。炭焼きの岩田近夫は、彼に聞いてほしいことがある、とバイクでロケ現場に向かう。サラリーマンを辞めて就いていたバイク便の仕事で知り合った所長さんのこと、その娘さんが堀尾葉介のファンだったこと、炭琴を演奏していたらしいこと。所長さんが退職して以降、近夫は炭焼き職人に弟子入りする。

 第七章 ジャック ダニエルと春の船
 故郷の釣り堀が買い取られ、池のほとりに新しい家が建つらしい。瀬戸内海の内航船の船長をしている玉木順二は、古い記憶を呼び起こされる。ひょうたん池の主人と抱き合っていた女のこと、そこに通っていた同級生の虐めに加担したこと。狭い町に住む人々は外に出て行った順二を嫉み、居心地はよくない。違法行為でさえ、しがらみの中でうやむやにされるほど。

 最終章 美しい人生
 土砂降りの雨の中、堀尾葉介は土石流にあい、見知らぬ母子と共に寸断された道路に取り残された。訳ありの母子を助けようとしながら、葉介は両親との過去を思い出す。…

 読み始め、独立した短編集なのかな、と思いきや、堀尾葉介という稀代の名スターにまつわる周囲の人々の物語でした。で、最後に葉介自身の救いが描かれる。
 イメージとしては誰なのかな。山田涼介さんとかになるんだろうか。ちょっとまだ若いな、キムタクじゃないんだよな、とか勝手なことを思いつつ(苦笑;)。
 各編にそれぞれ多数の映画も絡まります。作者の知識量でも勿論あるんですが、堀尾葉介が見たんだろうな、という努力家のエピソードの紹介とも受け取れるのが巧い。マナーの悪いファンの行動とかも秀逸で、実際こんな人いるのかもなぁ、と妙にリアルでした。
 自分のせいではない不幸を背負い込むだけでも悲劇なのに、あのラストは、それでも救いになるのかなぁ。
 ただ、あのひょうたん池を別荘にするのはやめた方がいいんじゃないかしらと思いました。プライバシー守れる環境じゃないよ(苦笑;)。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||』舞台挨拶中継見ました。

 ネタばれあります、すみません。

 3月28日、『シン・エヴァンゲリオン劇場版 :|| 』を観て来ました。
 見に行く予定ではいたのですが、こんなに早く(?)に行くつもりはなく(苦笑;)、ロングランももう終わるね、上映館そろそろ無くなるよ、くらいのタイミングで行こうと思ってました。現に前作、前々作はそうでしたし。
 そしたら公式がネタバレOK出して、あれ?と思ってたら ダメ押しでキャスト一同の舞台挨拶ですよ、豪華声優陣揃い踏みですよ。じゃあ、ここで行っとこうか、ということになりまして。
 今回も友人が付き合って一緒に見てくれました、どうもありがとう。
 上映前にトイレも済ませて、いざ鑑賞です。上映時間155分、さぁ、ケリをつけるぜ!

 冒頭の景色に、きっとフランスのオタク大歓喜してるだろうなと思いつつ。
 エヴァでは思いもよらなかったのどかな田園風景、生産活動、簡易住宅の屋根には太陽光パネル。…そう、前回からこれは不思議だったんだよ、補給どうしてるんだろうって。
 同級生たちとの再会は素直に嬉しかったですねぇ、生きてたんだ!!!って。ヒカリちゃんが綾波(仮)に、相田ケンスケがシンジに与える影響。シンジ君、漸くちゃんと状況説明してくれる人に、分かり易く心配してくれる人に巡り会えました。でも心の片隅で、このままで済まないよね、と不穏がよぎります。…これは見てる人全員思ってただろう(苦笑;)。
 SF的考察についてはもう情報量が多すぎて、理解する間もなく溢れ押し流されて行く感じ。加持さんはどうやってサードインパクトを止めたんだ?? ゲンドウは人間やめちゃってるし、14歳じゃないのにエヴァ乗っちゃうし。
 アスカの名字がこのシリーズで変わった訳も漸く分かりました。でもそしたら、マリの素性は?って感じなんですが。ゲンドウの過去にもちらっと写ってましたよね、冬月さんとも訳ありなようだったし。
 13号機の4本の手は、あの為のデザインだったんだろうか。『Air/まごころを、君に』を連想する演出もあり、そういう点でも集大成なのかもと思ったり。アタマのいい人が恋に溺れるとロクなことないなぁ。ユイ以外は、わが子であろうとどうでもよかった、ってことか、ハタ迷惑な。
 最後、シンジに手を差し伸べるマリを見て、成程、フォーマットとしては少年(青年)漫画なんだな、と思いました。少女漫画は最初から出て来てる登場人物とくっつくんですよね。運命の人を信じるか、経験値の上がった自分を信じて、新たに出会った人物を選ぶか。TV版からのファンは是と思うのかしら。

 上映後、舞台挨拶までの間にさらに15分の休憩。皆さんトイレに走ってました、勿論私も。トイレには長蛇の列、最大手です(笑)。何とか開始時間に間に合いました、よかったよかった(笑)。

 司会の方がキャストの皆さんを呼び込まれて、舞台挨拶の始まりです。
 緒方恵美さん、林原めぐみさん、宮村優子さん、三石琴乃さん、山口由里子さん、石田彰さん、立木文彦さん、岩永哲哉さん、岩男潤子さん、長沢美樹さん、優希比呂さん、伊瀬茉莉也さん、勝杏里さん、山寺宏一さん、総勢14名。
 テコ入れ具合が本気です(笑)。もう見た人でも、リピートしようと思うでしょうよ。

 何しろ上映後なので、コメントはネタばれ全面OK。
 茶のチェックのスーツの緒方さん、第一声を求められてまず「さよなら、すべての関係者」。…長かったですねぇ(しみじみ)。来場者に対して、チケット獲得を労う言葉も。収録がばらばらだったので、キャストの面々と会えて嬉しい、とも。

 林原さんは胸元に白いレース(多分)がついた水色のノースリーブのドレス、…あれ結構 体のラインが出るぞ; 30代以上の人にはひとつの終わりで(はい!・笑)、10代の人には入口かもしれない、と。めぐさんの元には、今でも「ハマりました」という10代からのメールなりが届いてる、って以前 仰ってましたものね。全てが決着ついてハマれるって幸せだぞ、あの熱狂を過ごせたのも面白かったけど。
 司会の方からの、収録時 第三村での綾波の演技についての質問に、「…覚えてない…」と戸惑う場面も。先にNHKで放送された庵野監督のドキュメンタリー番組『プロフェッショナル』内で、監督の演技指導に対し一瞬「うん」と綾波レイの声で返事していたことを重ねて訊かれ(会場の皆さんはじめ、誰もかれもあの番組デフォルトで見てるのね・笑)、どうだったっけ、とやっぱり困惑されてた所に山寺さんから一言「あの人、イタコ声優だから」「役が降りて来てるから」。
「そんなことないですよ、自分ちゃんとありますよ」と慌てて仰ってました。「スムーズに行く場合はすらすら行くんだけど、引っかかる所は引っかかって」。エヴァの世界で自然に触れられる機会があるとは思わなかった、とも仰ってました。 
 『序』でぽかぽかしちゃった綾波が『Q』でなかなか抜けなかったのは困られたそうです。何代目だったか、別人だった訳ですものね。

 宮村さんは赤いパフスリーブのワンピース、胸元には黒いリボン。TV放送時 様々に解釈されたことについて触れ、今度の映画も色々考察して、自分も何度も楽しみたいと仰っていました。

 三石さん相変わらずツボを抑えて下さってます、白い光沢のある生地に青のボタニカルプリント(多分)、縁取り、リボンベルトのワンピース、腕には青いバンダナ! 隣にいた山寺さんが「それ、売ってるんですが?」「僕も買います!」
 『Q』で艦長になった段階で「これは艦と共に死ぬかも」と覚悟はされたそうです。ただ、「エヴァなので」(笑)、どうなるかな、死ぬにしても綺麗に死ねるのかな、と思ってたら見せ場を用意して貰えて「槍を創れてよかったです」。加持リョウジにはやられた、と。

 山口さん、白いブラウスに茶とベージュの切り替えのあるたっぷりしたフレアスカート、何だかやっぱりリツコさんらしい。映画は見て大泣きされたそうです。
 ミサトとの別れの場面は、普段から仲のいい三石さんとの関係性もあって(他の現場でも、仕事終わりにはお茶したりお喋りしたりされてたとか)、「声が震えてしまって」。でも監督から「リツコは震えません」と言われて、結果3テイク録ったとのこと。「震えてないのが使われてましたね」。
 ゲンドウを撃つ場面について振られ、「あれ、ねぇ!」「今やらねば、って思ったんでしょうねぇ!」いきなり上がるテンション(笑)。そしたらゲンドウ死なないし、脳味噌拾い上げるし、「ケネディ大統領を思い出しました」。そうそう、暗殺時、ジャクリーン夫人がケネディ大統領の脳味噌 オープンカーの後部に飛び散ったのを集めようとするんですよね。
 山口さん「あそこでひるんでるんですよね~」「1回でOKは出たんですけど」。監督はあの場面でひるんだリツコをよしとした訳で(ミサトでは冷静だったのに)、「…愛してたんでしょうねぇ」としみじみ。前列で身の置き所なさそうにしている立木さんが妙に可笑しかったです。

 石田さんはグレイのジャケットに黒のスラックス。台本貰って、「ゲンドウくん!!!!」と突っ込みまくったそうで、…私も激しく同意です。「人間として気持ちは分かるけど、そのためだけに!??」 山寺さん「僕も石田君に一票!」
…で、立木さんのターンです。

 「…そうですか、ここで来ますか」と立木さん。何しろ終始申し訳なさそうなんですよね、全ての元凶ですし(笑)。
 今回収録が別々だったと言いながら、緒方さんと一緒に録った一場面もあったそうで、そのあとまたモノローグに入ったとのこと。スタッフやキャストの皆さんへの感謝の言葉も述べられてました。

 岩永さんはまず「生きてた」ことを喜び(ですよねぇ!)、「『Q』でトウジのシャツが出て来てたから、これはもう(死亡)フラグ立ってるな、と」。重要な役割ができて嬉しかったこと、劇中での台詞も二言、言って下さいました。
 最終的にアスカといい雰囲気になったことで、「あれ、アスカの服 多分ケンスケのを着てるんですよね」 隣に座ってる宮村さんに「どうして着替え持って来ないの?」 宮村さん「ヒトじゃないから 気にしないのよ」 にっこり笑いあってらっしゃいました。 

 生きてたことを喜んだのは岩男さんも。真っ白なゆったり、ふんわりワンピースの岩男さん、もう慈母の雰囲気(笑)。「好きだった鈴原くんとも結婚してて…」の言葉に 宮村さん「ヒカリ、勝ち組ですよ!」「恋を叶えて、子供もいて!」 旦那さんお医者さんになってるしねぇ(笑) 子供の名前にツバメはどうだろう、コマチの方がよくなかったか?とは個人的な意見です(笑)。

 長沢さんは気合を入れてネイルまで仕上げて来たそう。これが中継映像ではうまく見られなくて残念;; 後でネットで確認させて頂きました。総レースのドレスは赤…に見えたんだけど、ピンクだったみたいですね。TVシリーズでは「不潔」、今作品では「これだから若い男は」というキラーワードも貰えて「これからも使っていきたいと思います!」
 『Q』でいきなり変わってしまったマヤを、どう演じようかと実は迷っていたけど、監督に「マヤはマヤだよ」と言われて迷いが晴れた、とのこと。「副長先輩が大好き」なマヤを演じました、と仰っていました。「頑張って脊髄治しました!」。「エヴァは神話になった」とも。

 優希さんは映画を「 いい意味で楽しめなかった」。鑑賞しながら色々なことを考えてしまったそうです。「生き残れた」ことに触れられて、ヴンダーで最終決戦に臨んだ段階で 無理かな、と思ってた、と。オペレーター三人組はTVシリーズから一緒で、「途中でマヤが抜けちゃうんですけど」 長沢さん「配置換えで」。

 代わって『Q』からオペレーターに入ったのが伊瀬さんと勝さんですね。
 伊瀬さんは黒レースをあしらった白いツーピース(多分)、監督から「今回いっぱい喋るから」と言われていたそうで、実際最初からたくさん台詞があって、サクラと併せて重要な場面も任せて貰えて、と緊張気味に話してらっしゃいました。

 勝さんは元々ファンとして見ていた作品に参加できた喜びを語り、「今どきの子を演じて欲しい」のリクエストに、精一杯「やべぇ!」と叫ばせて貰った、と。

 作品に携われた喜びは山寺さんも話されました。自分の紹介プロフィールでは代表作として「エヴァンゲリオン加持リョウジ」「アンパンマンのチーズ」が書かれるそうで、「でも この作品で声張ったことないんですけど」。庵野監督の『プロフェッショナル』見たら僕ごときが何も言えない、と。
 台本貰って「僕、何か色々やってたんですねぇ」。ええ、水やりしてたスイカにすら意味があるとは思いませんでしたよ。
「この加持リョウジは 僕 演らなくていいんですか?」(軽く自分で「そりゃそうですよね」と突っ込み入れる所もさすが(笑))、「渚司令」の台詞に「これ、誤植じゃないんですか?」とも尋ねられたとか。
 石田さんが、加持さんとカヲルくん、最終的に二人で語らったことに対し、「シンジ君を幸せにするつもりだったのが、シンジ君がカヲル君が思うのと別の形で、自分の力で幸せになって、じゃあカヲルはお役御免だということで、もう退場している加持さんと場を作ったことは納得かな、って」 山寺さん「僕もその解釈に乗っかります」「渚司令!」
「で、二人で彼方に去って行くな~、と思ってたら本当にシャッターががしゃーん!!って閉まって えええええーーー!って」 山寺さん「閉店ガラガラ、みたいな」 石田さん「ねぇ!!」 …何でそんなに妙に息があってるんだ(笑)。
 石田さんはゲンドウとシンジが対話する場面で、「立場が逆転するんですよね」とも仰ってて、それもそうそう、と頷きながら聞いてました。

 最後に緒方さん「元々シンジAとシンジBがあって、シンジBがみんなを送り出して、自分が最後までシンジを演じなかったこともあってか、自分はまだ作品内に取り残されている気がする…いい意味で、ですよ」 緒方さんもイタコ声優なんだよなぁ。
 この言葉で漫画『ダークグリーン』を思い出しました。一人残って、背負って、永遠に戦い続ける少年。誰もを送り出してくれるんでしょう。

 何しろ記憶だけに頼って書いた記事です、大体こんな感じだった、ということで 覚え違い、抜け等 ご勘弁を。思い出したらまた付け足します。特に、質疑応答はまとめてしまいました。本当は二巡ほどされたんですよね。
 人数が多い分、お一人お一人の時間が短くて、それはちょっと残念でした。もっと色々お話聞きたかったなぁ。

 各インパクトはミサトのお父さんやらゲンドウくんやらが起こしたとして、使徒はどこから来たんでしょう? あれも自作自演だったのかしら? そしたらどこで作ってたんだ?
 各キャラクターについては解決したのかもしれませんが、あの世界の謎については結構残ったままのような…(苦笑;)。それでも終わったから、よしとしましょう。
 完結して下さって、ありがとうございました。
 売り切れてたパンフレット、また買いに行かなきゃなぁ。

創竜伝 3 〈逆襲の四兄弟(ドラゴン)〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1988年

 シリーズ3巻目。

 近所の夜店を冷やかしていた四兄弟と従妹の茉理。共和学院が火事に見舞われ、どさくさに紛れて 終は狐面の人物に攫われてしまう。戦車ジャック(?)をしてまで終を追う竜堂兄弟と茉理。ヘリで筑波の大亜製薬筑波研究所に連れ去られた終は終で、逃亡を謀るが上手くは行かず、捕らわれたまま横田基地で合流、そのまま風竜に変身してしまう。暴れる終と火災を鎮めるため、始は余も変身させる。…

 初読当時、中国の歴代王朝を「もしもしカメよ」のメロディで覚える、っての、もっと早くに知ってたらなぁ…!と歯噛みしたのを思い出しました。そう、もう既に受験は終わっていた年齢だったので(苦笑;)。でも未だに歌えます。
 隣家の奥さん、のぞき見好きな花井夫人は『奥さまは魔女』のグラディスさんですね、旦那さんに相手にされない所も(笑)。
 終くんの酔っ払い描写とか、なかなか新鮮に映りました。今なら出版時「控えて下さい」とか編集さんに言われるのかな。続兄さんも未成年なんですよね、ワインがどうこうとかの記述もあるけれど。
 この巻から水地自衛官と雑種犬 松永良彦くんが登場。大君(タイクーン)もここから。でもそのさらに上、黒幕がいる訳ですね。
 次巻に続きます。

アニメ『BEASTARS ビースターズ』見ました。

 原作が話題になってることは知ってました。第一期も見ていたのですが、そちらはそんなには惹きがなくてですね(すみません;)、すごい設定思い付くなぁ、と世界観の方に目が行ってました。フルCGアニメが苦手なこともちょっとあったかも;

 で、二期ですよ。
 いやもう、キャラクターの魅力爆発! 
 特にルイ先輩!! あの肉食動物のたらしっぷりは何!?(笑)
 第一期では、作中でカリスマと言われながらもその魅力が私には分からなくてですね(すみません;)、いや、えらそーなだけに見えるんですけど、と思ってたら。(いや、それでもシシ組に食われちゃったのか?ってラストは気になりましたが)
 境遇としては堕ちて行ってるのに、何で汚れないんだ?? 有能だってのはマストとしても、覚悟決めてりんとしてるのに危うくて、誇り高く高飛車なのに妙に儚な気で、肉食動物の庇護欲かき立てまくるってさぁ、とにかく愛され度が高い!!
 本能を抑えきれず尻尾振るレゴシもまぁ可愛くって(笑)。丸坊主(?)になったのはまだしも、女装姿には思わず吹き出しました。やっぱり尻尾振ってるし(笑)。ルイ先輩のイライラっぷりにも、イブキの勘違いにも笑わせて頂きました。
 二期から登場のピナも素晴らしくてですね、自分の魅力を十分承知した上の気障、傲慢さ、本質を見抜く聡明さ。梶裕貴さん見事にハマって、お見事としか言いようがない。

 最終話の展開にはド肝抜かれました。あれでルイ先輩の過去と言うかコンプレックスというかにもケリが着いたのかな。でもあまりにも痛い。反対に、レゴシ、よくあれだけで耐えられたなぁ。イブキの献身にも胸が痛くなりました。

 最終話ひとつ前、エンディング曲に繋がる演出には「あっ、これだったのか!」と揺さぶられましたし、最終話の、今度はエンディング曲から始まる展開にも「ああっ!」と搔き立てられました。
 こんなに釘付けになって観るとは思わなかった。
 面白かったです。