『創竜伝』番外編。
20世紀の終焉を数年後に控えた年の9月1日、竜堂家の四兄弟は日本海を臨む美しい学園都市に来ていた。祖父 竜堂司の友人で、白楊学院創立者 日高順三が、神聖真理教団という新興宗教と 市の実力者 名雲泰信から、学院立ち退きを迫られ、嫌がらせを受けているとのこと。
それぞれ臨時教師や高等部・中等部生徒として学院に潜入し、様子を見る四人。市は名雲財閥の恩恵を受け、名雲の不正もおいそれと摘発できない状態、教団員も生徒にまで及んでいる。教団は学院内にある竜穴の存在に気付き、ここを起点に日本を支配しようとしているらしい。
名雲と教団は対立し、名雲が経営する巨大工場は火の海となった。四兄弟も竜穴内で土砂に埋もれてしまう。その時、天空に四色の竜が飛び交った。…
パラレルワールドと言いましょうか、時間軸的に本編とは相いれない特別編(笑)。
やっぱり、今出版されるとしたら「この辺りの言い回しは変わるだろうな」と思う箇所は多数ありました。終くんの飲酒シーンだったり、続兄さんの 同性から受けたセクハラに対する口撃だったり。30年で随分変わったなぁ。
あとがき代わりの竜堂兄弟座談会で「作者は、作品を未完に終わらせてはならないという強迫観念の所有者」とあった一文が何だか眩しい(笑)。
さて、6巻目は本編に戻るんでしたね。アメリカに渡った一同はいかに。