第20回松本清張賞受賞作。
スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。
昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。
「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」
8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がる。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた。
不本意ながらも夏方震に近づいた多江子は、その人間的な大きさに惹かれて行く。夏もまた、首と心に大きな傷を持った多江子の強さと孤独に惹かれ、心から愛するようになる。やがて夏の求愛に心を開いた多江子は、槙にきっぱりと任務を断り、夏の胸に飛び込み、共に生きる決心をする。だが、多江子の何気なく漏らしたひと言からヒントを得た槙は、工作員を捕え、夏をスパイ容疑で逮捕してしまう。多江子は槙の利己主義につけ込み、莫大な謝礼と引き替えに、夏を憲兵隊本部から連れ出す取引をする。そして夏を実家の八島海運の貨物船で密航させ、上海から逃がす。だが、成功に油断した多江子は槙に犯されてしまう。槙の真の狙いが八島海運にあると察した多江子は、命懸けの対決を余儀なくされる。そして……。
（出版社HPの粗筋より）
昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。
「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」
8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がる。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた。
不本意ながらも夏方震に近づいた多江子は、その人間的な大きさに惹かれて行く。夏もまた、首と心に大きな傷を持った多江子の強さと孤独に惹かれ、心から愛するようになる。やがて夏の求愛に心を開いた多江子は、槙にきっぱりと任務を断り、夏の胸に飛び込み、共に生きる決心をする。だが、多江子の何気なく漏らしたひと言からヒントを得た槙は、工作員を捕え、夏をスパイ容疑で逮捕してしまう。多江子は槙の利己主義につけ込み、莫大な謝礼と引き替えに、夏を憲兵隊本部から連れ出す取引をする。そして夏を実家の八島海運の貨物船で密航させ、上海から逃がす。だが、成功に油断した多江子は槙に犯されてしまう。槙の真の狙いが八島海運にあると察した多江子は、命懸けの対決を余儀なくされる。そして……。
（出版社HPの粗筋より）
…出版社、こんなに内容書いちゃっていいのかなぁ？？
表紙の絵が往年のスタイルブックのようで、思わず手に取った一冊。そうか、そういえば食堂のおばちゃんが松本清張賞獲った、って一時期話題になってましたっけ。
「恋に狂った愚かな女のやることですわ」と自ら言いながら、そうは見えないのが不思議な主人公でした。…いや、本当にやったことは愚かなことなんですが（爆！）。で、もてるんだよなぁ、この人。一種の乙女ゲームのような気もしないでもない。彼女を巡るいいオトコたち、顔もスタイルもよくて、性格が悪くてもテクニックがあるという。…いや、私、乙女ゲームはしたことありませんけど。
主人公が次から次へと着替える最新モードも魅力的でした。『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』の時代から、女は食べ物と服は好きですものね。
ただ、疑問が一つ。松本清張賞ってどういう作風の作品に与えられるものなんだろう。私は松本清張は2～3冊しか読んでませんから何とも言えないんですが、こういう風な作品書いてたとは思えなくて。賞の基準が知りたいな、とちょっと思った作品でした。
表紙の絵が往年のスタイルブックのようで、思わず手に取った一冊。そうか、そういえば食堂のおばちゃんが松本清張賞獲った、って一時期話題になってましたっけ。
「恋に狂った愚かな女のやることですわ」と自ら言いながら、そうは見えないのが不思議な主人公でした。…いや、本当にやったことは愚かなことなんですが（爆！）。で、もてるんだよなぁ、この人。一種の乙女ゲームのような気もしないでもない。彼女を巡るいいオトコたち、顔もスタイルもよくて、性格が悪くてもテクニックがあるという。…いや、私、乙女ゲームはしたことありませんけど。
主人公が次から次へと着替える最新モードも魅力的でした。『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』の時代から、女は食べ物と服は好きですものね。
ただ、疑問が一つ。松本清張賞ってどういう作風の作品に与えられるものなんだろう。私は松本清張は2～3冊しか読んでませんから何とも言えないんですが、こういう風な作品書いてたとは思えなくて。賞の基準が知りたいな、とちょっと思った作品でした。
