読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

幻想探偵社 堀川アサコ著 講談社 2014年

 『幻想』シリーズ4作目。

 中二の夏、野球部のエースとして夏季大会準優勝を決めた中井海彦。だが父親からはあくまで内申書のための部活としてしか認められず、海彦は精神的なスランプに陥ってしまう。部活を休んでたまたま出くわしたのが、クラスメイトの楠本ユカリ。彼女は雑居ビルの6階、「たそがれ探偵社」に入って行くようだ。そこは幽霊相手の依頼を引き受ける探偵社だった。拒む間もなく海彦は責任者の青木に押し切られ、調査を手伝うことに。自分の名字「大島」しか覚えてない見るからに不良の幽霊が成仏できるよう、彼の生い立ちを調べることになったぜん。大島は海彦、ユカリの通う白妙東中学の先輩だったらしい。
 15年前、クラスの気になる女の子をめぐって、三角関係にあった大島。文化祭の日、園芸部が見事に造り上げた庭園をめちゃくちゃにした後、行方をくらませてしまったままだと言う。
 母の再婚で家庭に居場所はなく、学校でも疎まれ者だった大島。当時の園芸部顧問星野も、園芸部部長秋川もあまり多くを語らない。だが海彦とユカリが聞き込みを行った翌日、秋川の訃報が届いた。何者かに歩道橋から突き落とされた可能性があるとか。
 小さなまま時を止めてしまった生霊の女の子は何か恐ろしいものを見てしまったようだし、本屋の老店主の幽霊は万引きされたまま戻らない自費出版本を気にしている様子。それぞれの成仏への解決策を探りながら、二人は大島に何があったのか、真相に近付いて行く。…


 『幻想シリーズ』、売れてるのかな、この間本屋さんで宣伝用の小冊子見かけてちょっと驚きました。
 今回も前シリーズの映画館なんかちらっと出て来ましたね。郵便局もラストに出てきましたし。
 結構寂しい生い立ちなのに明るく軽い大島。声がね、吉野裕行さんで聞こえる感じ(笑)。真相は途中で察しがついてしまうんですが、まぁ登場人物少ないですしね。
 いかにも続編が出そうな終わり方は、個人的にはあまり好きではないのですが、昨今仕方ないのかなぁ。