読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

幻想電気館 堀川アサコ著 講談社 2012年

 「幻想」シリーズ、になるんだろうな。第二弾。
 ネタばれになってるかも、すみません;
 
 「幽霊が見える」――妙な自己紹介をしてしまったばっかりに、高校に行き辛くなってしまった楠本スミレ。たまたま見かけた父親の不倫現場を追って、駅裏商店街の古びた映画館・ゲルマ電気館に迷い込む。
 奇妙な歌がBGMとして流れ、お客なんていそうにないゲルマ電気館、なのに何故か潰れない。支配人と仲睦まじげな真理子さんはどうやら幽霊のよう。スミレはそこで、映写技師として働く青年・有働さんに恋してしまう。
 何だかんだで映画館でアルバイトすることになったスミレ、でもクラスメイトの平井玲奈がスミレを追ってやって来る。何でも先日死んだ玲奈の祖母・笛子がまだ成仏せず、色々霊障を引き起こしているとか。降霊してくれた霊媒師を殺してしまったほどだという。何とかしてくれとスミレに頼む玲奈、見えるだけで何にもできない、というスミレの主張は聞いてくれない。
 笛子の晩年は寂しかったらしい。悪徳商法に騙され、一人暮らしの家は改築の跡だらけ、何組もの羽根布団に火災警報器に換気扇。それだけでは済まない何かを、笛子は抱えていたようだ。
 ゲルマ電気館でのレイトショー、その演目「走馬灯」が上映された次の日、スクリーンが破られるという事件が起きた。異常に慌てる支配人、そこに隠された秘密とは。
 父の浮気相手とその連れ子、行方不明のその父親。ゲルマ電気館をきっかけに、恋するスミレの周囲も慌ただしくなっていく。…


 前作『幻想郵便局』と同じ世界の話なんでしょうね、ちらっと見覚えのある風景が出てきたりしましたし。
 ふわふわのんびりした話かと思いきや、最後は結構ハードな展開になりましたねぇ。色々繋がるのは快感でしたが、ちょっと察しがついてしまう所もあって、そこは「さっさと気付けよ」と思ったり(笑)。ええと、それにしてもスミレの「シリトリが特技」ってのは結局何だったんだ?? あの設定は生かされていなかったような…。