読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

パラダイス・ロスト 柳広司著 角川書店 2012年

 『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第三弾。
 ネタばれあります、すみません;

誤算
 目覚めた島野亮祐は驚いた。自分はナチス占領下のこの地フランスでドイツ兵にたてついて、頭を殴られ、フランス人の学生3人に助けられたのだとか。曖昧な記憶の中、島野は故障した銃を組み立て直し、粉塵爆発を起こしてドイツ兵から逃走してみせる。

 英国領シンガポールにて。米海軍士官マイケル・キャンベルは、デンマークとシャムとの間に産まれた娘ジュリアに恋をする。その彼女に、殺人の疑いがかかった。殺されたのは英国人の実業家、同じく英国軍人パーカー大尉が懸念する日本軍の侵攻について、小馬鹿にする態度を取っていたと言う。中国人バーテンダーに聞き取りをしながら、キャンベルはジュリアを救うべく、真犯人を捜し始める。

追跡
 日本に潜り込んだ英国のスパイ・ブライス。英国タイムズ紙極東特派員という肩書を利用して、D機関の生みの親結城中佐の生い立ちを調べ始めた。やがて、彼の調査上に有崎直親子爵の隠し子の名前が浮かび上がる。

暗号名ケルベロス 前篇
 サンフランシスコからハワイを経由して日本へ向かう豪華客船≪朱鷺丸≫の船上にて。米国の貿易商人モーガンは日本の技術者 内海修と出会う。クロスワードを一緒に解いて、親交を深める二人。だが実は、内海はモーガンこと英国スパイ マクラウドを日本に上陸させるなという指令を受けていた。

暗号名ケルベロス 後篇
 暗号解読の第一人者として、日本に乗り込む筈だったマクラウドが毒殺された。英国軍人が乗り込んで来る中、内海は真相を解くことを決意する。…


 前回、開戦が決まった段階でシリーズ終わるかと思ったのですが、そうか、元々時系列に添った作りじゃなかったですもんね。
 二転、三転する真相、胸のすくような活躍ぶり。「D機関、かっこいい!」と思わず勘違いしてしまいそうです。「実は用意周到に、ここまで考えられてました」ってのは『スパイ大作戦』のよう(笑)。
 で、実際、結城中佐の生い立ちは明らかにされるんでしょうか。謎のままでもいいかもなぁと思いつつ、やっぱり気になります。