読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

スタープレイヤー 恒川光太郎著 角川書店 2014年

 ネタばれになってるかも、すみません;

 2001年の薄く曇った寒い日のこと。真っ白な服装の2メートル近くあるような体格の男のくじ引きに、「私」斉藤夕月は当たった。一等の賞品は「スタープレイヤー」。「私」はフルムメアと呼ばれる存在が10の願いを叶えてくれる異世界に飛ばされた。
 何もない原っぱに思いのままの家と庭園を作り、容姿や体調まで整えて、次にしたのは自分を以前襲った通り魔を呼び出すこと。復讐するつもりだったその相手に、だが夕月は失望する。もう帰ろうか、そう思い始めた頃、夕月は自分とは別のスタープレイヤーに会う。
 現地の人々と良好な関係を築きながら生活している「マキオ」。彼と会い、夕月は現実世界へ帰る魅力を失う。マキオをよすがに、夕月自身も様々に現地人や、他のスタープレイヤーに呼ばれた外来人と交流を始め、やがて、国家間の争いに巻き込まれて行く。
 別のプレイヤーに呼び出されたまま置き去りにされた元映画俳優ラナログ・スウォード。彼が企てたクーデタのためラズナ王国を追われた王子を、夕月は匿うことにする。残った「願い」でラグナ王国を支援する夕月。それはラナログとの敵対を意味した。…


 う~ん、これ、何故舞台を「現在」に設定しなかったんだろう。何か意味あるのかな。
 いや、面白かったんですけどね。異常な状況に放り込まれながら、夕月にしてもマキオにしても、ラナログを呼び出したシンシアにしても、結構みなさん生活を冷静に楽しんでて、ある意味前向き。パニックに陥る人とかいないのね~。呼び出された外来人こそ迷惑だし、勝手に入って来られる現地人にも邪魔だろうけど。
 これ、どうやらシリーズ物らしいんですけど、「スタープレイヤー」を変えて描かれるのかしら。それとも夕月のその後、になるんでしょうか。ラズナの王子の「友達」の正体も明かされませんでしたしね。一体男なのか女なのか、それすら分からない。
 それにしても。当たるなら、私は二等の五億円の方がいいなぁ(笑)。