読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

大空のドロテ Ⅰ 瀬名秀明著 双葉社 2012年

 日本SF作家クラブ50周年記念作品。

 1963年、弾まない対談を終えた後、飛行機のエンジン音を切っ掛けに、作家は語りはじめた。黒髪、青い目の<翼渡りのドロテ>と呼ばれた少女の話を。
 赤ん坊の頃、修道院の前に捨てられていたドロテ。添えられていたのは金雀枝の描かれた古いメダルのみ、長じてサーカス団の一員となったドロテは自分の出自を知りたいと、同じく金雀枝を紋章に持つプランタジネット伯爵の城跡・ドンフロンをを訪ね、そこで機械いじり好きな少年ジャンと出会う。
 空中から見ないと分からない、隠された秘密の扉から城の地下に入る二人。そこにあったのは宝石の加工場、だが後からつけて来られた見知らぬ男に襲われ、ドロテはメダルを奪われてしまう。かろうじて逃げ出したもののサーカスのテントは焼かれ、同じく、ジャンの家も壊されていた。祖父の変わり果てた姿を中に。
 ジャンはその後、ドロテのサーカス団と行動を共にする。サーカス団の興行先、ドロテの育った港町エトルタのポレ邸に、新たに犯行予告が届く。ポレ邸にある金のメダル、それを奪いにルパンが参上する、と。
 ドロテをルパンの娘と断定する謎の男、かつてルパンの妻だった修道女マリー・オーギュスト、警視総監の依頼に応えて捜査協力に現れたG・K・チェスタートン。奇岩城があったと噂されたエトルタに、再びルパンは現れるのか。メダルに隠された秘密とは。…


 連想したのはアニメ『不思議の海のナディア』。今再放送してますしね、生まれの判らないサーカスの少女、飛行機に憧れる少年(しかも名前がジャンだし)、メダルを狙う謎の組織…となるとどうしてもね。ジャンの父親への憧れなんかは『天空の城ラピュタ』を思い出す所もあり。それだけフォーマットに乗ってるってことなのかもしれませんが。
 私はアルセーヌ・ルパンのシリーズはあまり読んでなくてですね、『奇岩城』と『813』、『水晶栓』と『金髪の美女』くらいかなぁ。しかも内容あまり覚えてないし; ばりばりのホームズ派だった私にとって、ホームズらしき人物がルパンにやりこめられるなんて作品を受け入れることはできませんでしたので(苦笑;)。読んでなくても楽しめる内容だといいんですが、とりあえずまだいかにも序章という感じ。チェスタートン、怪しくないかなぁとこっそり思いつつ。
 次巻に続きます。