寒天問屋井川屋の和助は、大火で焼けた天満宮再建のため銀二貫をかき集めた帰り、仇討ちに出くわす。思わず銀二貫でその仇討ちを買い、助けたのは父親を殺された幼い男の子一人。ひと冬寒天製造元の美濃志摩屋で預けた後、和助はその少年を松吉と名付け、丁稚として引き取る。
得意先の高級料理屋「浮舟」とのいざこざ、そこを繋がりにした「真帆屋」嘉平とその娘・真帆との出会いは、松吉に自分が扱っている商品 寒天の価値を見直させてくれた。「もっと腰の強い寒天があったら」その言葉を松吉の心に残したまま、嘉平は大火に巻き込まれ、真帆もろとも行方不明になってしまう。
大阪・京都を襲う度重なる大火、その度井川屋は得意先を失くし、仕入先を失くし、だが新たな繋がりを持って生き延びて行く。松吉は新しい製造元の半兵衛の元で、もっと腰のある寒天の製造に心を砕く。工夫に工夫を重ねてやっと出来上がったのが糸寒天、だが松吉の望みはそこで終わらない。餡を固めるまでの腰の強さが証明できれば菓子店にまで卸先が広がると、そちらの開発に取りかかった。
大火傷を負いながら生き延びていた嘉平の娘真帆の存在、偶然知った自分の生まれ故郷の発展が、また新たな道を松吉の前に示す。…
得意先の高級料理屋「浮舟」とのいざこざ、そこを繋がりにした「真帆屋」嘉平とその娘・真帆との出会いは、松吉に自分が扱っている商品 寒天の価値を見直させてくれた。「もっと腰の強い寒天があったら」その言葉を松吉の心に残したまま、嘉平は大火に巻き込まれ、真帆もろとも行方不明になってしまう。
大阪・京都を襲う度重なる大火、その度井川屋は得意先を失くし、仕入先を失くし、だが新たな繋がりを持って生き延びて行く。松吉は新しい製造元の半兵衛の元で、もっと腰のある寒天の製造に心を砕く。工夫に工夫を重ねてやっと出来上がったのが糸寒天、だが松吉の望みはそこで終わらない。餡を固めるまでの腰の強さが証明できれば菓子店にまで卸先が広がると、そちらの開発に取りかかった。
大火傷を負いながら生き延びていた嘉平の娘真帆の存在、偶然知った自分の生まれ故郷の発展が、また新たな道を松吉の前に示す。…
蜜豆や羊羹のできるまで。
読み始めてすぐ、ああ、これは間違いなく面白い話だ、と思いました。何なんだろう、この安心感。で、やっぱり面白かったし。
時代小説で大阪が舞台、と言うのは珍しい気がするんですが、私だけかな。小さな出来事、大きな出来事、人との出会い全てが繋がって結末に収束される見事さは、もう気持ちがいいばかり。どこまで史実でどこまで創作なんだろう。
でも私は寒天よりゼラチンの方が好きなんですけどね(苦笑;)。
読み始めてすぐ、ああ、これは間違いなく面白い話だ、と思いました。何なんだろう、この安心感。で、やっぱり面白かったし。
時代小説で大阪が舞台、と言うのは珍しい気がするんですが、私だけかな。小さな出来事、大きな出来事、人との出会い全てが繋がって結末に収束される見事さは、もう気持ちがいいばかり。どこまで史実でどこまで創作なんだろう。
でも私は寒天よりゼラチンの方が好きなんですけどね(苦笑;)。