読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙Ⅴ   支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2020年

 シリーズ5冊目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 神をも畏れぬ女商人エーブの謀略を見事に退け、王国と教会による戦争の危機を回避したコルとミューリ。
 騒動も落ち着く頃、コルは自らを慕ってくれるミューリとの関係をはっきりさせなければとあれこれ知恵をひねり、二人だけの紋章を作る、という方法を思いつく。
 調べもののため、かつて訪れたブロンデル修道院を目指す道中、コルとミューリは行き倒れの少年ローズと出くわすことに。彼は物語好きのミューリの尻尾が飛び出るほど高名な聖クルザ騎士団の見習い騎士なのだが、世界最強の騎士団が、悪名高い“薄明の枢機卿”のせいで壊滅状態だと訴える。
 異教徒が一掃された今、騎士団に存在意義はない。貴族の次男坊以下が集まった騎士たちは帰る場所もない。王国と教会の争いに巻き込まれた騎士団には寄付金も集まらず、あるのは清廉な信仰心と民衆からの圧倒的な人気のみ。騎士団分隊長のクロード・ウィントシャーは、騎士団の名誉を、価値を高めるため、“薄明の枢機卿”コルの「敵ながら天晴れ」のお墨付きが欲しい、と神学問答を依頼してきた。
 出来レースで得る名誉を求めるほどの困窮。誇り高い騎士団が最後にひと花咲かせたいという願いを、一時は承諾するコル。だが、コルは騎士団が糾弾すべき新たな敵があることに気付く。教皇側にも王国側にも属さない、騎士団ならではの敵が。… (折り返しの紹介文に付け足しました)

 経済史から宗教史に移って来た感がある『羊皮紙』シリーズ。今回は騎士団でした。
 そっちの関係の他に、「月を狩る熊」の正体が何なのか、実はどういう存在だったのか、という問題も、改めて浮上してきましたね。熊が教会を作ったのでは、というのは確かに突飛な発想。でもこれが答えではないんだろうなぁ。
 第二王子クリーベントの人柄も噂で出てきましたね、どうやら憎めない御仁の様子、今後に関わって来そうです。
 次巻に続きます。