読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

GOSICKs Ⅱ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― 桜庭一樹著 角川文庫 2010年

 初出は2006年、富士見ミステリー文庫
 『GOSICK』シリーズ外伝、第二弾。夏休みの間を描いた短編集。

 第一話 仔馬のパズル
 久城一弥はアブリルに、地中海の別荘へ誘われた。いそいそと荷造りする一弥に、日本からの手紙が届く。そこには以前ヴィクトリカが出した、仔馬のパズルの答えがあった。一弥は手紙を持って、図書館のヴィクトリカの元へ急ぐ。

 第二話 花降る亡霊
 学校に残った一弥に、アブリルから手紙が届いた。祖母のいる別荘には亡霊が出るという噂があるとか。果たして、二階の窓の外に白いドレスの女がふわりと浮いていたり、ホールに甘い匂いが充満してその場にいた皆が気を失ったり。従姉妹のフラニーがその白いドレスを追いかけるが、そこにあったのはドレスだけだった。ヴィクトリカはその謎を瞬く間に解いてみせる。

 第三話 夏から遠ざかる列車
 6年前の聖マルグリッド学園にて。女子寮を出て行く生徒がいた。戦争で父親が死んで、学費が払えなくなって出て行くのだと言う。メイドのゾフィは彼女を元気づけようと、祖母のクッキーを渡す。あまりに美味しかったそのクッキーをもっと食べたくなって、少女はゾフィの部屋へ忍び込む。ゾフィがクッキーを盗んだ犯人が分かったのは、ヴィクトリカがテーブルの脚に隠された古い懺悔の手紙を見つけたからだった。

 第四話 怪人の夏
 日本にて。一弥の姉・瑠璃に、意に染まない縁談が持ち上がっていた。お相手は兄の友人、むくつけき大男。男嫌いの瑠璃には我慢ができない相手。友人と出かけたデパートで展示品の壺を割ってしまった矢先、その壺が盗まれるという事件が起きる。何でも怪人が現れてマントをはためかせながら夜空に去っていったとか。壺を盗んだのは誰なのか、ヴィクトリカは推理してみせる。

 第五話 絵から出てきた娘
 名画<リボンの令嬢の肖像>が展示された村庁舎で。何時の間にやら絵は真っ白いカンバスになっていた。その場にいた大きなリボンの女を捕まえたものの、絵はどこにも持っていない。ブロワ警部の部下イアンとエバンは謎を持て余し、久城一弥に相談を持ちかける。一弥は学園のヴィクトリカに、この謎を伝える。絵はどこにあるのか、何時盗まれたのか。

 第六話 初恋
 警視総監夫人ジャクリーヌは、オークション会場でグレヴィールと出会った。ジャクリーヌはグレヴィールに問われるまま、今年の夏の出来事を話し始める。学生時代の同級生ソフィアとバカンスに出かけたこと、行きの列車の中でソフィアの連れていた犬が突然死んでしまったこと、以来ソフィアは降霊会に凝ってしまい、霊媒師の言葉のまま、ジャクリーヌが愛犬を殺した犯人だと信じてしまったこと。証拠だと示された、黄色いリキュールが濁った理由は何だったのか。グレヴィールはドリル頭を犠牲にして、ヴィクトリカに助言を請う。…

 アニメも始まった『GOSICK』のシリーズ。
 あれ、ジャクリーヌってグレヴィールの奥さんではなかったんだっけ;;
 今回は純粋な短編集でしたね。寮母さんやセシル先生の過去や交友関係も明らかになりました。寮母さん、若かったんだ! それにしてもセシル先生のお行儀の悪いこと! ちょっと笑って済ませられる範囲ではない気がするんですが…;
 日本での怪盗のエピソードもまた別の話に膨らんで行くんでしょうか。
 次巻へ続きます。