読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

GOSICKs Ⅳ―ゴシックエス・冬のサクリファイス― 桜庭一樹著 角川文庫 2011年

 『GOSICK』シリーズ外伝集、4冊目。
 クリスマス休暇前、リビング・チェス大会で活気づく聖マルグリッド学園にて。

 第一話 白の女王(クィーン)は君臨する
 聖マルグリッド学園を視察に訪れたジャクリーン・シニョレー警視総監夫人。少女の心を持つ彼女はチェスの駒に扮した生徒達を見て大はしゃぎ、何時の間にやら自分も白の女王に。偶然居合わせたブロワ警部も結局白の戦車に仮装する羽目に陥る。資料室で一人っきりで本を読んでいたヴィクトリカはジャクリーンに出会い、かつて彼女にかかった殺人容疑のことを思い出す。

    …ええと、このエピソードは以前にも語られなかったっけ?? アニメでみたのとごっちゃになってる???


 第二話 黒の僧侶(ビショップ)は祈りを捧げる
 男子寮にて、ヴィクトリカと出会えた久城一弥。寮母のゾフィーとセシル先生がゴシップに花を咲かせる中、一弥はブロワ警部の部下たちが、いつも手を繋いでいる理由がヴィクトリカにあることを知る。
 それは数年前、村で起こった誘拐事件。静養に来ていた実業家の息子は、誰に誘拐され、どこに囚われていたのか。少年が語った犯人像、「赤い服の女性」「背中に羽の生えた白い服の女性」「いつも髪がたなびいていた長い髪の人」は何を意味するのか。ヴィクトリカは瞬く間に解いてみせる。
 

 第三話 黒の女戦士は駆け抜ける
 戦士の扮装をしたアブリル・ブラッドリーは、雪の中に埋もれているヴィクトリカを見つける。高名な人形師グラフェンシュタインの作品にも似たヴィクトリカ。彼の遺産をめぐって彼の弟と孫娘が闘った争点は、グラフェンシュタインと彼の息子、どちらが先に死んだのか。ロシア旅行中だった人形師の死亡時間について、ヴィクトリカはある知恵をブロワ警部に授けたことをアブリルに語る。


 第四話 騎士(ナイト)はちいさな姫にかしづく
 いつもの図書館の最上階、南国の花が咲き乱れる温室にて。
 ヴィクトリカは久城に、自分の父アルベール・ド・ブロワが片目である訳を説明する。コルデリアの居場所を確認するため、ブライアン・ロスコーが絵画にかけた罠のことを。それは図らずも自分の過去、自分を世話していたレディズメイドについて語ることでもあった。

 第五話 忠臣たち
 幼い白の女王陛下を護る騎士たち。妖精や巨人など異形の者。妙に近代的な衣装をまとった禍々しい黒衣の敵は、何を現しているのか。…


 嵐の前の静けさ、最後の平穏な日々を描いた短編集。
 ブロワ警部やその部下たちの、変わった容姿や行為の説明がされましたね。着々とラストに向かっている感じです。
 世の中の不穏な流れを予知するヴィクトリカ。次が最終巻です。