読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

GOSICK Ⅷ 上・下―ゴシック・神々の黄昏― 桜庭一樹著 角川文庫 2011年

 『GOSICK』シリーズ最終巻。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 1924年のクリスマス、ヴィクトリカが所望したのは15個の謎。一生懸命謎を集める久城一弥は、村に起こりつつある異変に気づく。それは大いなる変化、すなわち“2度目の嵐”の前触れにほかならなかった。迫る別れと自分の運命を正しく予感したヴィクトリカは、一弥に母親から譲られた指輪を贈る。一方首都ソヴレムではブロワ侯爵が暗躍、娘ヴィクトリカを武器に権力を握ろうと彼女を監獄<黒い太陽>に幽閉した。薬で意志を封印した上、その偉大な叡智で戦争の動向を推測させる侯爵。ソヴュールの上層部は、やがてその予言なしには動けなくなって行く。
 母コルデリアは娘の身を案じ、自身身代わりとなって娘を逃がす。ヴィクトリカはロスコーと共にソヴュールを離れて海の彼方へ。
 一弥は故国に強制送還、後に徴兵されて戦場へ赴くことになる。ヴィクトリカを想いつつ日々をひたすらに生き延びて行く。
 アブリル、セシル、アンブローズやグレヴィールに、古き世界に大いなる喪失と変化が訪れる。その先に待つものは。…
                                     (裏表紙の紹介文を参考にしました)

 …ええと、この巻からのお話は史実とはまるで違うものになる訳ですよね、第二次世界大戦ってもっと後で起こった筈だし。
 アニメで結末を知っていた分、そちらと比較してしまうのはどうしようもないことでして。
 大きく変わっていたのはブライアン・ロスコーの扱いでしたね。で、どうしてもアニメの方がドラマチックな展開だったなぁ、と思ってしまった、ごめんなさい; 勿論自らの身体に久城の書置きを刺青したくだりや、久城の姉への手紙の内容にも、コルデリアからヴィクトリカへの伝言にも泣きそうにはなったのですが。ヴィクトリカと久城の、お互いへの贈り物がそれぞれを救う展開にも。
 最終巻で物凄い純愛ものになったのは、桜庭さん最初から意図してたのかしら。
 新大陸で開いた探偵社、足の悪い久城にあの事務所の場所は酷だなあ。お話としては正解なんですけど(笑)。