読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料Ⅱ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2006年

 『狼と香辛料』シリーズ二作目。
 ネタばれあります、すみません;

 前回のラストにて、利益を胡椒で手に入れたロレンス。宗教町ポロソンでラトペアロン商会に胡椒を売りに行く。天秤量りの詐欺でうかうか騙される所だったのをホロの機転で救われたものの、散々買い叩いて信用買いで買った武器は、教会都市リュビンハイゲンでは暴落していた。毎冬あった異教徒征伐のための遠征が政情不安により中止になったため、例年なら確実に売れた武器は今年は売れない。多額の負債を抱え、ロレンスは金の密輸を思いつく。債権者レメリオ商会と、教会から不遇な目に遭っている羊飼いノーラ・アレントを巻き込み、隣町ラムトラへ金の買付に向かう。
 狼が住み着いているという森を、羊飼いノーラの助けで何とか抜け出る一行。だが本当に恐ろしいのは人間だった。レメリオ商会は口封じのため、ロレンスやノーラまで殺すつもりでいた。
 賢狼ホロが怒る。ロレンスと共にリュビンハイゲンに走る。ロレンスは、自分が唆して犯罪に手を染めさせてしまったノーラを死なせる訳にはいかないと、彼女を救おうとする。だがノーラの眼に映ったホロは、倒すべき狼の姿をしていた。…

 前作を読んで何だかもやもやしていた気持ちが、二作目ではっきりしました。
 …私、ホロ好きじゃないんだわ…!(爆!) 
 それを自覚したのが、ホロがロレンスの分のミートパイを食べる場面。ホロに思わずむっとしてしまったから。…いやはや、自分の食い意地の悪さに自分で呆れてしまいました(苦笑;)。でもね、断りもなく人の食糧に手を出しちゃいけないと思います!
 老獪なんだか知りませんが、自分が欲しいと思う言葉を引き出そうと手練手管を使う態度、持って回った言い方。この「人を試す」ようなやり方、誠実に思えなくて私駄目なんですよ; 回りくどいんだよ、さっさと話進めろよ!とホロとロレンスの会話になるとじれったくなりました。ホロもロレンスもお互い駆け引きを楽しんでじゃれあってるだけなんだから、突っ込む方が野暮ってものなんでしょうけどね(苦笑;)。
 誠実じゃないと言えばこの作品に出てくる商会全般。信用第一とか言いながらこの騙しっぷりは何!? 今回、ファンタジーナニワ金融道でしたね。何だか心が冷えていくよう(笑)。でもホロとノーラ(エネク)の対峙場面はどきどきしました。羊飼いってあんなに苛酷で強い職業だったのね~。キリスト生誕に一番初めに気が付いた職業なんだから、教会にはもっと大切にされていいと思うんだけど。私はDQのⅦでは数え唄ばかり歌わせていたのですが、反省しました(笑;)。
 逆境を跳ね返して相手をぎゃふんと言わせる快感、でもできればあまりホロの真実の姿に頼って欲しくないかも(笑)。ロレンス君、頑張ってね。