読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

いつか、ふたりは二匹 西澤保彦著 講談社ミステリーランド 2004年

 「ぼく」は菅野智己、小学六年生。実はぼくは眠っている間、意識だけ猫のジェニイに乗り移って街を探検できる。実藤さんちのセントバーナード犬・ピーターとも友達になった。でもこのことは誰にも秘密、お母さんにも、お母さんの再婚でできた血の繋がらないお姉さん・久美子さん(大学二年生)にも。
 ぼくの近所では去年、一学年上の女の子が誘拐されかける事件があった。犯人は捕まらないまま、でも新学期も迎えてみんなの警戒心は緩んできていた。そんな時、乗用車が同級生の女の子三人に突っ込んで来る、と言う事件が起きる。
 一人は意識不明の重態、二人は軽傷。軽傷の女の子たちの証言では、今回の車の運転手と以前の誘拐犯との容貌が酷似している。親や近所の大人が付き添って始まる集団登下校。当事者の一人・忍坂園美ちゃんは、片思いの高校生の男の子と一緒に登下校できて嬉しそう。反対に、もう一人の被害者・冨宇加亜弥ちゃんはショックで学校を休んだまま。
 事故現場で、警察の名を語って被害者三人の名前を聞き出している謎の男を見かけた僕は、ジェニイの姿を借りて捜査に乗り出す。そのうち、亜弥ちゃんはぼく・ジェニイの前で自殺未遂を起こし、園美ちゃんは亜弥ちゃんのお兄さんの名を騙る男に攫われてしまった。
 何故園美ちゃんは狙われたのか、園美ちゃんは何処にいるのか。ピーターとぼくの、名推理が冴える。…

 西澤さんの作品を読むのは初めてです。
 面白かった。ピーターの正体は途中で分かってしまいましたが、三人が狙われる理由とか、凄く納得しました。
 女の子が誘拐されるくだりとかジェニイが襲われる辺りとか、妙にリアルで怖い。園美ちゃんは反対に性格が怖いな~。…でもいそうなんだよね、こんな女の子;
 ところで、表紙の女の子は誰なんでしょう。