読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

いけちゃんとぼく 西原理恵子著 角川書店 2006年

 ある日、ぼくはいけちゃんに出会った。
 いけちゃんはうれしいことがあると数がふえて、こまったことがあると小さくなってちぢまる。
 いつもぼくのことを見てくれてるし、ぼくが友達にいじめられて落ち込んでるとなぐさめてくれる。
 でも女の子となかよく遊んでるとまっかになって怒り出す。そんないけちゃんのことがぼくは大好きで――。

 不思議な生き物・いけちゃんと少年の心の交流。                   (出版社HPより)


 有川浩さん『アンマーとぼくら』作中で出て来た絵本。そういえば出版当時話題になってたよな、と手に取りました。
 有川さんが作中で「刺さる言葉がたくさんあって」みたいなことを書かれていましたが、なるほど、これは刺さるな、と思う台詞が多々ありました。
 何なんだろう、どうして西原さんから見た男の子というのはこうも眩しいんだろう。
 こんな愛おしい面ばかりではない筈ですけどね、でも根底に憧れがある感じ。
 「あのさ」「せかい中で ひとよりはやく大人にならないといけない子供っているんだよ。」「キミもその中のひとりなんだよ。」
 ケンカして負けて帰って来た「ぼく」に、「きみはずいぶん 大丈夫になっちゃったね」
 うどん屋のキョウちゃんに「昔なくした怪獣カード なくす前にやってくれ。 あと野球カード。 あいつがぬすむ前にやってくれ。」
 「トモとマツにせんかんをみせるな。 ずっと仲よしでいたいなら。」
 …ああ、優しい子なんだね。
 
 所々にちらほらみられる時空を越えたようないけちゃんの言動は、最後に理由が明かされます。
 いや、泣きはしなかったけどね。
 男の子をこんなに眩しく見てしまうように、男性から見た女の子も羨ましいように思ってもらえる存在なんだろうか。どうもそんな感じがしないのが悔しいなぁ。