読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

チョコレートコスモス 恩田陸著 毎日新聞社 2006年

 伝説のプロデューサー・芹澤泰次郎。
 完璧主義で質の高い映画をこつこつ作ってきた彼が、二十年振りに舞台をやると言う。新国際劇場の杮落とし公演。演目もキャストも未定、まだオフレコの話なのに、業界内はその話題で持ちきり。芸能一家のサラブレッド女優・東響子も、何度も噂を耳にする。
 芹澤の眼力は大したもので、あらゆる所へオファーが行く。小劇場出身の脚本家・神谷、当代きっての売れっ子演出家・影山力也etc.etc…。
 オーディションに呼ばれた女優は四人。経験と実力に裏打ちされた大女優、往年の映画スター・岩槻徳子。初舞台『ララバイ』で舞台役者としての才能の片鱗を見せたアイドル・安積あおい。今が伸び盛り、人気実力共に若手で随一、響子とも仲の良い宗像葉月。大穴・W大の演劇研究生で、まだ二回しか板を踏んでいないにもかかわらず芹澤に見出された天才少女・佐々木飛鳥。
 自分が選ばれなかったことを知った響子は、単身、オーディション会場に乗り込み、彼女たちの演技を見る。
 『真夏の夜の夢』を現代ものに書き換えた『ララバイ』、劇団ゼロのオリジナル脚本『目的地』、サキの短編を舞台劇に起こした『開いた窓』、『欲望という名の電車』ブランチの一人芝居…。
 数々の舞台を通じ、役者や脚本家の葛藤・覚悟が掘り起こされる。選ばれた女優の名が明かされ、そして、脚本家が筆をとる。――『チョコレートコスモス』―― ……

 演劇ものは好きです。『ガラスの仮面』とか『ライジング!』とか。
 実際、見に行くのも好き。この頃はちょっとご無沙汰してますけど。
 今回は恩田陸版『ガラスの仮面』と聞いていたので、期待半分、不安半分。だって元々好きな分野ですよ、無意識のうちに絶対ハードル上がってる。さぁ、どうだ、と読み始めました。
 …やめられへん。
 恩田さんのストーリーテラーとしての面目躍如! 
 同じ芝居を別の解釈でやる、ってのは楽しいなぁ。演劇ものじゃないけど、『白のファルーカ』や『スワン』でもそういうエピソードありましたよね~。もう、わくわくしてしまう。
 アクの強い登場人物が、実際の役者さんに勝手に脳内変換されてしまいます。私のイメージでは、東響子:松たか子、小松崎稔:野田秀樹、安積あおい:松浦亜弥、宗像葉月:寺島しのぶ、って感じかな。…って言うか、野田さんはそのままモデルだと思うんだけど。
 どんどんページめくって行くのはいいとして、これでは肝心の芝居上演まで行かないんでは、と思ってたら…; 
 …終わってないやん;;
 続編希望!!