読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔王 伊坂幸太郎著 講談社 2005年

 強化週間第三弾(笑)。中編2本収録。
 ネタばれあります、すみません;
 
 安藤は弟の潤也とその彼女・詩織との三人暮らし。狙った相手に自分の思った台詞を喋らせることができる。但し相手との距離は30歩位、台詞の長さはひと息分まで。その頃、政界では諸外国にきっぱりした態度の取れる新進政治家・犬養が大衆の支持を集め始めていた。犬養に得体の知れない気味悪さを感じる安藤。ファシズムの始まりはこんなふうではないのか、大きな流れに飲み込まれかけてはいないか、と思う安藤を次々と危険が襲う。サッカーの試合に端を発した反米感情は、ハンバーガー店やフライドチキン店の焼き討ちや、在日アメリカ人の住居への放火にまで広がる。いよいよ高まる犬養への期待。街頭演説のため駅前に来ることを知り、安藤はその場へ走る。そこには何故か馴染みのマスターや資材管理部の千葉の姿もあった。…:『魔王』
 
 安藤の死から五年。潤也と詩織は結婚して仙台にいた。犬養は今や首相、政敵や自分を襲った相手がことごとくいなくなる幸運にも恵まれている。憲法改正国民投票はいよいよ来月。潤也は兄が死んでから「憑いて」いて、じゃんけんなどの賭け事に負けた事が無い。潤也がある目的に向かって競馬で莫大なお金を貯めている一方、犬養の「憑き」は離れ始めた。詩織は潤也と共に歩いていく決意をする。洪水に打ち勝つ一本の木になる為に、ムッソリーニの妻クラレッタのスカートを一緒に直す為に。…:『呼吸』

 どう言う展開になるのか察しがつかないまま読み続けました。不安なままに進んで行く話。千葉さんが出てきて「え、今回のターゲットはお兄さん?」「でも病死の場合は千葉さん出番ない筈だよね?」と?マークは出っ放し。ああそうか、確かに病死ではないか、ルール違反な気もするけどそもそも今回ミステリではないし。
 お兄さんが確かに生きて後々にちゃんと影響を及ぼしていることが判る二本目。これは続きがあるのかしら。ごきぶりを「ごきげんよう、おひさしぶり」と呼ぶセンスはgood!(笑) でも私の中では「ごきげんよう」と言うと『マリみて』なのが惜しい(笑)。
 もしかしたら読む順番間違えたかもしれません。伊坂さんの作品はデビュー作から順々に読んでいった方が楽しかった気がするなぁ。どんな脇キャラも「後々どこかに出てくるかも」と思うと気が抜けませんね(笑)。