21世紀半ばを舞台にした『魔王』の続編。
ネタばれになってるかな、すみません；
ネタばれになってるかな、すみません；
システムエンジニアの渡辺拓海が家に帰ると、そこには岡本猛がいた。妻・佳代子に雇われて、拓海を拷問しに来たらしい。容疑は浮気。無罪だと訴える拓海だが、実は心当たりがあった。同じ会社の桜井ゆかりと運命的な出会いを繰り返し、深い仲になっていた。
爪を剥がされそうになりながら、何とか岡本に帰って貰った拓海。いつの間にやら横で眠っている佳代子を家において翌日出社すると、加藤課長から新しい仕事を言いつけられた。曰く、先輩の五反田正臣がやっていた仕事を引き継げとのこと。五反田は何故か失踪しているらしい。出会い系サイトの登録画面に項目をいくつか増やすだけの簡単な作業に、何故五反田は手こずっていたのか。後輩の大石倉之助と共に現場に向かい、契約社員の工藤と話し合って何となく分かって来た。依頼主株式会社ゴッシュと、とにかく連絡が付かない。
五反田の居場所を探して不審な三人組が拓海を襲う。寸での所で岡本に助けられたが、拓海には訳が分からない。五反田の机を探して見つけたカセットテープをヒントに、拓海たちはサイトを解読する。どうやらある一定の検索語を調べているらしい。
「播磨崎中学校」「個別カウンセリング」「加賀絵里」「小林友里子」「間壁俊一郎」「安藤商会」。播磨崎中学校と言えば、新設早々9人の不審者に一クラス30人の生徒や教師が殺された事件が思い浮かぶ。用務員の永嶋丈は犯人を撃退して一躍ヒーローになり、その後政界に進出していた。
拓海は友人の作家・井坂好太郎に相談する。井坂も偶然、播磨崎中学校で起こった事件について独自に調べて、小説にしようとしていたらしい。
軽い気持ちでその語彙を検索にかけた大石が婦女暴行事件の濡れ衣を着せられ、加藤課長は自殺する。岡本の家は燃やされた。井坂のHPは最近、何者かにいじられているらしい。
岡本、井坂と三人で話し合う拓海。どうやら拓海の遠縁に当たるらしい安藤商会の社長・安藤潤也に会いに行く決意をする。
盛岡まで行ったが、安藤潤也は既に死んでいた。妻の詩織と、やはり親者の愛原キラリに話を聞く。潤也には「十分の一を当てられる」超能力があり、ギャンブルで巨万の富を得たのだとか。色々な方面に金を投資したが、試行錯誤で生涯を終えたらしい。システム化を嫌い、田舎に引きこもって暮らしていた。詩織や愛原は、拓海にも超能力がある筈だ、という。
盛岡から帰って来た拓海を待っていたのは佳代子と、岡本からのディスクだった。岡本が何者かに拷問されている映像が入っていた。岡本の言葉をヒントに、五反田に辿り着く拓海と佳代子。五反田は視力を失い、それでも真相を知りたいと、永嶋丈と直談判する気でいた。
井坂が刺され、虫の息の下、自分の推測した「播磨崎中学校事件」の真相を拓海に伝える。拓海は五反田、大石、佳代子と共に永嶋のいる空港へ向かう。…
爪を剥がされそうになりながら、何とか岡本に帰って貰った拓海。いつの間にやら横で眠っている佳代子を家において翌日出社すると、加藤課長から新しい仕事を言いつけられた。曰く、先輩の五反田正臣がやっていた仕事を引き継げとのこと。五反田は何故か失踪しているらしい。出会い系サイトの登録画面に項目をいくつか増やすだけの簡単な作業に、何故五反田は手こずっていたのか。後輩の大石倉之助と共に現場に向かい、契約社員の工藤と話し合って何となく分かって来た。依頼主株式会社ゴッシュと、とにかく連絡が付かない。
五反田の居場所を探して不審な三人組が拓海を襲う。寸での所で岡本に助けられたが、拓海には訳が分からない。五反田の机を探して見つけたカセットテープをヒントに、拓海たちはサイトを解読する。どうやらある一定の検索語を調べているらしい。
「播磨崎中学校」「個別カウンセリング」「加賀絵里」「小林友里子」「間壁俊一郎」「安藤商会」。播磨崎中学校と言えば、新設早々9人の不審者に一クラス30人の生徒や教師が殺された事件が思い浮かぶ。用務員の永嶋丈は犯人を撃退して一躍ヒーローになり、その後政界に進出していた。
拓海は友人の作家・井坂好太郎に相談する。井坂も偶然、播磨崎中学校で起こった事件について独自に調べて、小説にしようとしていたらしい。
軽い気持ちでその語彙を検索にかけた大石が婦女暴行事件の濡れ衣を着せられ、加藤課長は自殺する。岡本の家は燃やされた。井坂のHPは最近、何者かにいじられているらしい。
岡本、井坂と三人で話し合う拓海。どうやら拓海の遠縁に当たるらしい安藤商会の社長・安藤潤也に会いに行く決意をする。
盛岡まで行ったが、安藤潤也は既に死んでいた。妻の詩織と、やはり親者の愛原キラリに話を聞く。潤也には「十分の一を当てられる」超能力があり、ギャンブルで巨万の富を得たのだとか。色々な方面に金を投資したが、試行錯誤で生涯を終えたらしい。システム化を嫌い、田舎に引きこもって暮らしていた。詩織や愛原は、拓海にも超能力がある筈だ、という。
盛岡から帰って来た拓海を待っていたのは佳代子と、岡本からのディスクだった。岡本が何者かに拷問されている映像が入っていた。岡本の言葉をヒントに、五反田に辿り着く拓海と佳代子。五反田は視力を失い、それでも真相を知りたいと、永嶋丈と直談判する気でいた。
井坂が刺され、虫の息の下、自分の推測した「播磨崎中学校事件」の真相を拓海に伝える。拓海は五反田、大石、佳代子と共に永嶋のいる空港へ向かう。…
2007年4月から2008年5月にかけて漫画週刊誌「モーニング」で連載されたものだそうで、なるほど何度も同じ説明が繰り返されるなぁ、と思った筈だわ。
…佳代子さん、こえーよ；； 確かに拓海が本当に浮気してた段階で「…なら仕方ないか」と一瞬思ったけどさ～、拷問を笑って見たりいきなり飽きて退屈したり、頼りになるけど友達にはなりたくないわ； そりゃ旦那さんももっと分かり易く優しい女の子に目が向くさね（苦笑；）。
実は『魔王』と続く世界だとなかなか気付かず（苦笑；）、安藤詩織の登場ででようやく思い出しました。…何故潤也ではなく詩織なんだ、私!? 潤也のお兄さんの時には何の役に立つか分からなかった超能力も、拓海になって使い道ができましたね～。
あとがきで伊坂さん本人が、本書と『ゴールデンスランバー』が二卵性双子のような存在だと仰ってましたね。どちらも圧倒的な力の前に足掻く話。その力の正体が明かされず、ひたすら逃げ切ることに終始した『ゴールデンスランバー』、そのシステムの一端が明かされるのにどうにもできない『モダンタイムス』。…そりゃ爽快感の差は出るよなぁ。面白かったんですけどね、相変わらずふとした台詞や行動が後々効いてくるのも「おお！」と思ったし。何も考えずに組み込まれて行ったらえらいことになるぞ、って言うテーマ（？）が、もう手遅れにまでなった状態は、確かに『魔王』の流れでした。
何かねぇ、「考えろ、考えろ」とクラレッタのスカートを直そうとした『魔王』の続編が、「見て見ぬふりも勇気だ」になるとは思わなかったなぁ。でも確かに、小さな幸せは大切。あの奥さんでいいのか？ってのはちょっと疑問ですが（笑）。システムに対しては五反田に期待、ってとこでしょうか。
…所で、桜井ゆかりの魂胆は何だったんでしょう？？
…佳代子さん、こえーよ；； 確かに拓海が本当に浮気してた段階で「…なら仕方ないか」と一瞬思ったけどさ～、拷問を笑って見たりいきなり飽きて退屈したり、頼りになるけど友達にはなりたくないわ； そりゃ旦那さんももっと分かり易く優しい女の子に目が向くさね（苦笑；）。
実は『魔王』と続く世界だとなかなか気付かず（苦笑；）、安藤詩織の登場ででようやく思い出しました。…何故潤也ではなく詩織なんだ、私!? 潤也のお兄さんの時には何の役に立つか分からなかった超能力も、拓海になって使い道ができましたね～。
あとがきで伊坂さん本人が、本書と『ゴールデンスランバー』が二卵性双子のような存在だと仰ってましたね。どちらも圧倒的な力の前に足掻く話。その力の正体が明かされず、ひたすら逃げ切ることに終始した『ゴールデンスランバー』、そのシステムの一端が明かされるのにどうにもできない『モダンタイムス』。…そりゃ爽快感の差は出るよなぁ。面白かったんですけどね、相変わらずふとした台詞や行動が後々効いてくるのも「おお！」と思ったし。何も考えずに組み込まれて行ったらえらいことになるぞ、って言うテーマ（？）が、もう手遅れにまでなった状態は、確かに『魔王』の流れでした。
何かねぇ、「考えろ、考えろ」とクラレッタのスカートを直そうとした『魔王』の続編が、「見て見ぬふりも勇気だ」になるとは思わなかったなぁ。でも確かに、小さな幸せは大切。あの奥さんでいいのか？ってのはちょっと疑問ですが（笑）。システムに対しては五反田に期待、ってとこでしょうか。
…所で、桜井ゆかりの魂胆は何だったんでしょう？？
