読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

アリソンⅢ〈上〉~ルトニを車窓から 時雨沢恵一著 メディアワークス電撃文庫 2004年

 『アリソン』三作目。シリーズ最終話。

 ヴィル、アリソン、フィオナの三人は東西を貫く大陸横断豪華列車に招待される。招待主はカー・ベネディクト少佐。列車が発車し四人が合流した翌日の朝、客室乗務員が全て殺された。同乗していたストーク少佐は、狙われているのは自分がボディガードに勤めている貴賓車両の乗客・テロル氏で、彼さえ隔離されれば他の乗客には被害が及ばない、と提案する。テロル氏はテロル鉄鋼財団の総帥だった。列車は一般客車を切り離し、テロル氏とその部下イーエン、ストーク少佐、それにベネディクトとフィオナ、アリソン、ヴィルだけを乗せて麓に向けて出発する。だが、ストーク氏の行動には何か不可解なものがあった。…

 「序章の前」の章で、どうもヴィルが死んで、アリソンが二人の間の娘を女手一つで育てているような情景が描かれています。えっ、そんな筈ないじゃん、ってんで思わず下巻のラストを確認しそうになりました。この作者一流の騙しなのは察しがつくんですがね(笑)。小国とはいえ一国の王女に婚前交渉を持ちかけるとは、ベネディクトさんいい根性してるなぁ。王女が妊娠でもしたら、洒落では済まないと思うんですが(笑)。豪華寝台列車が舞台と言うことは、この作者、取材と称してこういう車両に乗ったんでしょうね、羨ましい。それにしても時雨沢さん、作品に食べ物の描写多いなぁ。
 アリソンの出自が今回で明かされそうです。…フィオナ一家が殺された理由は、結局判らないままなのかなぁ。