読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

六枚のとんかつ 蘇部健一著 講談社ノベルス 1997年

 驚天動地のアホバカ・トリック、ユーモア・ミステリの最終兵器!…なんだそうで(笑)。
 シリーズ短編15編収録、保険調査員小野由一が、その経歴の中で出会った難事件をまとめたもの。

 誘拐された子供の身代金要求電話の後に流れていた“ガッツ石松”“あんたがーた、ほれ、見ーな、車ねぇーかあ? そりゃ、まずいよ!”“月いくら?”“あっさり、死んじめえー”の会話から誘拐犯を割り出そうとする『音の気がかり』。(打ちこんでるとますますアホらしい・笑)
 殺されたパン屋の主人がパンで残したダイイング・メッセージを解く『パンは知っていた』。…ダイイング・メッセージ食うなよ;
 舞踏会の会場でなくなったブルーサファイアを見つける『桂男爵の舞踏会』。
 盗まれた金の延べ棒の隠し場所を探す『黄金』。…あんなのが頭に当たったら死んでるって(笑)。
 “幸運の女神”と題する銅像の乳首にはめ込まれたルビーが盗まれた。暗号として記されたルビーの隠し場所はどこか『チチカエル』。…だから腹巻きでも何でも現場から勝手に持ち出すなよ!(笑)。
 巨漢の前夫から貰った結婚指輪の行方は『エースの誇り』…だから食べ物でも何でも以下同文。
 砂浜で砲丸投げの練習をしていた少女が殺された。砂浜に書かれたダイイング・メッセージの意味は『見えない証拠』。
 徳島から宇和島までのアリバイを崩す?『しおかぜ17号四十九分の壁』。
 友人の父親の遺産はどこに隠されているのか、ビデオのモザイクからジグソー・パズル、オセロゲームへと続くメッセージ『解けないパズル』。
 新宿三丁目の駅でおりた夫が西新宿で妻を殺すことは可能か『丸ノ内線七十秒の壁』。…ローカルだなぁ。面白かったけど。
 エメラルドのブローチはどこへ隠されたのか、彫刻家のアトリエを探す『欠けているもの』。
 妻は夫とどうやって連絡をとっているのか、妻が時々行く銭湯にヒントがあるのか『張り込み』。
 叔父が死ぬ前、部屋にいた黒衣の女性はどこに消えたのか、銃声らしき音は何だったのか『消えた黒いドレスの女』。
 雪の中、5台しかないスノーモービルで六人兄弟が考えた移動方法とは『六枚のとんかつ』。
 兄を殺した巨漢、150キロの相撲取りは直径四十センチの穴から出入りできたのか『「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男』。
 エピローグで、九州?の地図を前にアリバイ崩しに挑戦する『最期のエピローグ』。

 成る程、馬鹿馬鹿しかった(笑)。こういうおちょくり方は好きですね~、何となく小林信彦さんの『神野推理氏』シリーズを連想したり。…いや、私だけだと思います、すみません(笑)。短編ばっかりで読みやすかったし、確かに古藤さんとのコンビより早乙女さんとの方が面白かったです。