読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

謎解きはディナーのあとで 東川篤哉著 小学館 2010年

 国立市の警察官・宝生麗子が、出会った事件を夜毎執事・影山に語る、安楽椅子探偵連作短編集。

第一話 殺人現場では靴をお脱ぎください 
 マンションの一室で、網上げブーツを履いたままの女性の絞殺死体が発見された。外で殺されて室内に運ばれたのか、それとも…? 

第二話 殺しのワインはいかがでしょう
 停電があった夜、動物病院の院長の死体が見つかった。服毒死だったが瓶に残ったワインには異物の混入は見当たらない。自殺かと思われたが、幼い孫は深夜、被害者の部屋で明かりを見たと言う。

第三話 綺麗な薔薇には殺意がございます
 藤倉家の薔薇園に、息子の婚約者の死体が横たわっていた。詳しく調べると、殺人現場は離れの一室だった様子、何故わざわざ薔薇園にまで運ぶ必要があったのか。影山は婚約者が飼っていたという黒猫に目をつける。

第四話 花嫁は密室の中でございます
 後輩の沢村友里の結婚式に招待された麗子。その最中に、花嫁が刺されるという事件が起きた。現場は密室状態でドアを開けたのは麗子自身、麗子まで疑われる始末。沢村家の老執事が放った一言を切っ掛けに、影山が真相に気付く。

第五話 二股にはお気をつけください 
 マンションの一室で、男の全裸死体が見つかった。事件当時、目撃された女性がいたが、被害者は四股をかけていたらしく、そのうちの誰なのか特定する決定打がない。女性の身長と被害者が裸にされていた理由をあわせて、影山が真実を見抜く。

第六話 死者からの伝言をどうぞ
 消費者金融の女性社長が撲殺された。傍にはダイイング・メッセージが消された跡、凶器の優勝トロフィーは庭から二階へ投げ込まれたとか。腕力のない女性には無理、と容疑者から外された遠縁の少女・里美は何かを告げようとして失神してしまった。彼女の気を揉ませたのは何なのか、さらにダイイング・メッセージに隠された秘密を、影山は暴いてみせる。…


 ドラマ化までされた話題作。東川さんの作品を読んだのは初めてです。
 なるほど、面白かった。元々安楽椅子探偵ものは好きですし、するすると入って行けました。慇懃無礼な執事が見抜く真相、細かい証言を次々に拾って辿りついて行くのはなかなか快感です。かなり想像力というか発想の飛躍がいるかも、と思う事件もありましたが、まぁそこはそれ(笑)。
 そうそう、今さらですが、映画化された時のあの櫻井君メインのポスターには驚きました。…私、ドラマは全く見ていなかったのですが、執事の影山が主人公なの…?? いや、麗子お嬢様と半々だと思うんですけどねぇ。