読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

まんげつのよるに 木村祐一著/あべ弘士絵 講談社 2005年

 「あらしのよるに」シリーズ第七弾、最終話。
 …ええと、ネタばれしてます。あらすじ全部書いてます。この本を実際読んだのは二ヶ月ほど前なんですが、あまりの内容にちょっと呆然。映画の公開も終わってるみたいだし、そろそろいいかなあ、ってんで感想書きます。
 前作ラストで雪崩に呑み込まれ、消えてしまったオオカミのガブ。山羊のメイは新天地に辿り着いたものの、「わたしのせいでガブは死んでしまった」と自分を責める毎日。食べ物も喉を通らず、段々痩せ細って行く。そんなある日、「向こうの草原に見知らぬオオカミが住み着いている」と言う噂を耳にする。喜び勇んで会いに行くと、果たしてそこにいたオオカミはガブだった。ただ、ガブは全ての記憶を失っていた。…
 …なんてベタな!!
 この後、メイはガブに捕まり、ガブのねぐらに監禁状態。言葉を尽くして自分達の関係を説明しますが、ガブは全く聞く耳持たず。満月の夜に食べられそうになった所でメイの叫んだ「あらしのよるに」の言葉にようやく反応、全てを思いだしてハッピーエンド。
 二人(?)の関係を人種問題や民族紛争になぞらえた人もいる以上、悲劇で終わる訳には行かなかったのかもしれませんが、それにしてもこの展開を持ってくるか…;
 いや、基本を忘れちゃいけません。あくまでこの作品は子供向け、私みたいなひねくれ者にはいかに陳腐な手法でも、本来の読者には「初めての記憶喪失」かもしれないじゃない!
 …とりあえず、全ての元凶は私がメイをオスとして読んでしまったこと。シリーズ最初の方は「まぁ、これはシチュエーションコメディだわ」とくすくす笑って見てたのですが、ガブがメイを連れ出して「この景色を見せたかった」とか言われた日にゃあ、「これってデートやん??;」と頭パニック状態(笑)。例え男同士に取ったとしても真面目に読んだ人もいるというのに、自分の腐女子加減を認識させられました(笑)。