読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

妖精作戦PARTⅣ ラスト・レター 笹本祐一著 創元SF文庫 2012年

 『妖精作戦』シリーズ最終巻。
 初出は1985年、朝日ソノラマ文庫。

 カーニバル・ナイト作戦により、ノブは和沙結希に連れ去られ、長い一夜が明けた。星南学園一帯での戦闘は一切報道されなかった。だが、失意の榊の耳にノブの声が届く。――「わたしはここよ、あなたはどこ?」。奪還を誓う榊たちは、ノブの居場所を厚木基地と断定し、再び果てしない追跡を開始する。
 こんこんと眠るノブに呼びかけ、榊達はノブの居場所へのテレポートに成功。ただそこは移動中の飛行機の中、増えた重量分、悪天候も相まって操縦に出た不備をついて5人は脱出。束の間の南の島バカンスを楽しむが結局捕まり、再度の脱出が今度は衛星軌道へ乗る羽目に。そこで5人は宇宙人からの最終通告を聞かされる。
 人類の存亡をかけた闘いが始まろうとしている切羽詰まった状況下、それでも俺たちには関係ない。脱出ポッドに乗り込んだその時、宇宙戦争の火蓋が切られた。…
                                 (前半、中表紙の紹介文を写しました)

 なるほど、これが数々の読者に遺恨を残した終わり方かぁ。
 確かに引っかかるよなぁ、ノブは本当に全てを放り出した感じ。SCFに入る訳でもなし、あくまで榊たちと逃げる訳でもなし。はじけとんだ和沙結希を見てのあの選択だもんなぁ。
 主人公たちと同年代で読んでいたなら、この大騒ぎを楽しめたかもしれませんが、今読んでしまうと色々思う所がありまして。これ、この5人組がかき回した分、どのくらいの費用がかかったんだろうとか、最終的に奪ってしまった脱出ポッドは、実際に宇宙で闘っていた人が使う筈のものだったんだろうなぁとか、もっと空気読んでいたら、和沙結希は死なずにすんでいたのではないだろうか、とか。
 で、犠牲になったのがどちらも女の子、と言うのも少々引っかかったり。…これは考え過ぎだろうとは思いますが。
 この後、地球人は生き残れたんだろうか。…なんだか無理な気もしないでもない。