読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

闇祓(Yami-hara) 辻村深月著 KADOKAWA 2021年

 ネタばれあります、すみません;

 第一章 転校生
 原野澪のクラスに、白石要と名乗る少年が転校してきた。クラス委員の澪にストーカーじみた行動をする要に、澪は怯え、陸上部の先輩 神原一太に相談する。憧れの先輩は最初、澪を護るようだったが、その行動はだんだん束縛じみたものに変わっていく。

 第二章 隣人
 60年代に建てられた団地が、今風にリノベーションされた。一目で気に入った梨津は、家族そろってサワタリ団地に引っ越した。そこには団地のデザインに関わった沢渡夫妻も子供と共に住んでいて、やがて梨津はマウンティング合戦に巻き込まれる。

 第三章 同僚
 営業二課の佐藤課長が、ジンさんを責めている。中途入社してきたジンさんは佐藤よりずっと年上で仕事もできるのに、その温厚さ、聞き上手さに佐藤は甘え、怒りはヒートアップしているようだ。依存さえして「自分の正義」を振りかざす佐藤に、部下の鈴井は辟易していた。

 第四章 班長
 五年二組に神原二子が転校してきて、クラスのパワーバランスが変わった。それまでは、忘れ物が多くて乱暴で、でも頭のいい虎之介に振り回される毎日だったのに。二子は嫌なことは嫌だと言い、虎之介の家まで押しかけて生活態度を注意するようになった。クラスに、親にまで広がって行く正義感に、ぞっとする草太。やがて唐突に二子は学校を去って行く。「母親がかわるから」と言葉を残して。

 最終章 家族
 大学生になった澪を、要が迎えにきた。あの日、神原一太と共にいなくなった親友澤田花果がみつかったらしい。二人はサワタリ団地を起点に、神原一家を確保していく。…

 辻村さん、ママ友と揉めてない?? 大丈夫?? 神経すりへらしてるんじゃないかしら、と思わず心配してしまいました(苦笑;)。
 辻村さん、厭な話書きましたねぇ(笑)。それでも第一章が解決しているから、最後は後味いい筈!と読み進みました。
 「あの人が来て以来…」ってあるよなぁ、負のオーラ振りまく人、雰囲気悪くする人。それの極端な例を書き連ねて広げた、という感じ。このお話では理由というか原因がありましたが、実際にはないですものね。より救いがないかも。
 第二章、第三章では「該当人物は誰!?」的な読み方をしました。お父さんの手腕、肯定し甘やかして駄目にしていくやり方には「この手があったか…!」と思いましたよ。この会社、これだけ内輪で揉めてたら、絶対業績上がらねぇ(苦笑;)。
 シリーズ化されるんでしょうか。要くん魅力的だし、パターンはまだありそうですものね。竹や犬に弱いのは何故なのか、要くんを指導した「夢子さん」って人は。この辺りのこと、知りたいです。