『ガリレオ』シリーズ第7弾。
幻惑す(まどわす)
その新興宗教の教祖は「念」を送ることで相手の心を浄化するという。取材記者の目の前で、幹部の一人が窓から飛び降りて死亡した。教団の金を使い込んでいたことを、教祖の念で追及した末の結末だった。記者自身の「暖かいものを感じた」という言葉に、草薙刑事は湯川准教授を呼んで現象の解明を依頼する。
心聴る(きこえる)
草薙が病院で刺された。加害者の男は前々から幻聴に悩まされていて、とうとう犯行に及んだと言う。その少し前、同じ勤め先で自殺した男がいたと聞いて、その担当だった北原刑事と内海薫刑事は二つの事件の繋がりを探る。果たして、耳鳴りを感じている、と証言する若い女性が現れた。
偽装う(よそおう)
大学時代の同級生の結婚披露宴に出席した湯川と草薙。あいにくの土砂降りで、山頂のホテル会場は孤立してしまった。そんな中、近くの別荘で殺人事件が起きる。散弾銃で撃たれた男と首を絞められた女の老夫婦。発見者はその娘で、雨の中、湯川と草薙に傘を貸してくれた女性。ロッキングチェア座った遺体の写真を見て、湯川は眉を顰める。
演技る(えんじる)
人気劇団「青狐」の脚本家が刺殺された。発見者は看板女優の神原敦子と衣装係の安部由美子。被害者は神原から若手女優に乗り換えたばかり、痴情のもつれかと思われたが、携帯電話の着信履歴や当日の花火大会の写真から、容疑者にはアリバイが確定してしまう。湯川は不自然な脚立の位置と携帯電話の写真に、繋がりを感じる。…